2015年11月19日木曜日

週刊ダイヤモンドも誤解? ヤフー・ソニーの「おうちダイレクト」

週刊ダイヤモンド11月21日号の「マンション仲介手数料“中抜き” ヤフー・ソニーが目論む“流通革命”」という記事に間違いと思える記述があった。「検索サイト最大手のヤフーと、ソニー不動産が提携して始めた不動産売買の新サービス『おうちダイレクト』」の発表内容を筆者の岡田悟記者が誤解した可能性が高い。このサービスに関しては、日経や日経ビジネスも内容を正しく報道できていなかった。

御船山(佐賀県武雄市) ※写真と本文は無関係です
※日経と日経ビジネスに関しては「『仲介業者に頼らず』に偽りあり 日経『ビジネスTODAY』」「仲介通さず?日経ビジネス『青田売り』離れが加速する」参照。

記事の当該部分と、ダイヤモンドへの問い合わせ内容は以下の通り。

【ダイヤモンドの記事】

売り手は、マンションを売りたいと思ったら、「Yahoo!不動産」内にある「おうちダイレクト」のウェブサイトに物件情報を無料で掲載できる。売却希望価格については、ソニー不動産が独自に開発した「不動産価格推定エンジン」で算出されたマンションの推定売買価格を参考にして、自ら決める。

(中略)次に、買い手は、サイト経由で直接、売り手に購入希望を伝えることができる。物件に関する質問もできるし、物件を見たいと思ったら、サイト上で見学の申し込みも可能だ。しかも、売り出されていないマンションについても、購入希望の意思表示ができる。

その後、物件の見学や売買代金の決済、引き渡しをしたりする際の実務については、ソニー不動産がサポートする。つまり、売り手と買い手の接触から価格交渉まではサイト上でできてしまう。故に、売り手からは仲介手数料を取らないというわけだ。


【ダイヤモンドへの問い合わせ】

週刊ダイヤモンド11月21日号の「マンション仲介手数料“中抜き” ヤフー・ソニーが目論む“流通革命”」という記事についてお尋ねします。記事では「おうちダイレクト」というサービスに関して「売り手と買い手の接触から価格交渉まではサイト上でできてしまう」と書かれています。しかし、このサービスに関するニュースリリースを見ると、「(ウェブサイト上で)購入検討者は『ダイレクト物件』についての詳細を把握できるようになり、また所有者はその物件のアピールポイントを、購入検討者に直接伝えることが可能となります」との記述があるものの、注記事項として「価格等の売買条件に関するやりとり・交渉等を行うことはできません」と明記されています。つまり、記事中の説明と矛盾します。「価格交渉まではサイト上でできてしまう」という記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題ないとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

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ダイヤモンドは問い合わせに答えない方針を貫いており、今回も回答が届く可能性は低い。その場合、そろそろダイヤモンドの媒体としての評価も見直す必要がある。

上記の記事に関する評価はD(問題あり)。記者自身は上司の指示に従って回答しないだけかもしれないが、問い合わせへの無視が確認できた場合、岡田悟記者への評価はF(根本的な欠陥あり)とするしかない。望み薄とは分かっていても、きちんとした回答を期待したい。

※結局、回答は届かなかった。

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