ケルン(ドイツ)の大聖堂 ※写真と本文は無関係です |
9月19日号31ページの表に載っているスルガ銀行の「異端の歴史」についてお尋ねします。この中で「1999年 邦銀初のインターネットバンキング開設」となっているのは誤りではありませんか。国内初のネットバンキングは97年の住友銀行(当時)だと思えます。三井住友銀行が公表している資料には同行のネットバンキングに関して「1997年1月に国内初のインターネットバンキングサービスとしてスタート」と明記されています。
同じ表で「個人顧客向けに特化した『リテールバンキング』へビジネスモデルを大転換」と説明されていますが、これも誤りではありませんか。スルガ銀行は少なくとも現状では法人向けの取引も手掛けています。「個人が中心のビジネスモデル」とは言えるでしょうが「特化」はしていないはずです。上記の2点について、記事の説明で問題ないとの判断であれば、その根拠も教えて下さい。
ついでで恐縮ですが、28ページの「どうして社長じゃなくて頭取?」の説明には問題があると感じました。「会社の経営トップの肩書といえば、一般的には『社長』だが、なぜ銀行だけが『頭取』と呼ばれるのか」との問いに対し「雅楽を演奏する際、最初に音を出す人のことを『音頭取』と呼んだのが始まりだという説が有力だ」で答えになるでしょうか。記事からは「なぜ銀行トップだけが頭取なのか」を理解できませんでした。
さらに言えば、34ページの「歴史的な低金利が続く中、貸出金利回りはマイナスになるのが普通だが」という記述は不正確ではありませんか。「マイナスが当たり前で銀行経営は成り立つのか」と思って表などを見ると、マイナスなのは「貸出金利回りの改善度」であり、「貸出金利回り」は「プラスが普通」のようです。読者に負荷をかけない分かりやすい書き方を心がけていただければ幸いです。
【編集部へのメール】
週刊ダイヤモンド編集部 鈴木崇久様 山口圭介様
9月19日号31ページの表に載っているスルガ銀行の「異端の歴史」について問い合わせをした者です。
表中で「1999年 邦銀初のインターネットバンキング開設」となっているのは誤りではないかとお尋ねしました。国内初のネットバンキングは97年の住友銀行だと思えたからです。ところが、問い合わせから半月近くが経過しているのに、回答を頂いていません。また、9月26日号にも10月3日号にも訂正記事は掲載されていないようです。
スルガ銀行のホームページでは「スルガ銀行ドリームダイレクト支店は、スルガ銀行が運営する邦銀初のインターネット支店です」との文言が確認できます。しかし、「邦銀初のインターネットバンキング」とはうたっていません。現時点で鈴木様からも山口様からも回答がなく、訂正記事も出ていないことを考慮すると「記事の説明は誤りなのに、読者からの指摘を黙殺した」と推測すべきでしょう。
スルガ銀行の件で、私も絶対の自信を持っているわけではありません。だから、問い合わせを送っているのです。読者からの間違い指摘に対して、完全に無視したままで心は痛みませんか。報道に携わる者として、良心に恥じる選択をしていないか、もう一度よく考えてください。それでも「この問題を握りつぶしてよい」と確信できるのならば、鈴木様と山口様には記事を書く上での基礎的な資質が決定的に欠落しています。そこは自信を持って保証できます。
※鈴木崇久記者と山口圭介副編集長の評価をD(問題あり)からF(根本的な欠陥あり)へ引き下げる。
※「新しい取り組みは評価したいが…ダイヤモンド『頭取ランキング』」参照。