2016年1月18日月曜日

思い切りが凄い 週刊ダイヤモンドに載った高島修氏のコメント

1月にドル円レートが116円を割り込めば、百パーセント追加緩和に踏み切るだろう」--。週刊ダイヤモンド1月23日号の「DIAMOND REPORT~日本銀行の追加緩和観測浮上  中国ショックで露呈 脆弱相場の真のリスク」という記事(筆者は大坪稚子記者と前田剛記者)に、驚くほど思い切りのいいコメントが載っていた。発言の主はシティグループ証券チーフFXストラテジストの高島修氏。今まで様々な経済記事でたくさんの市場関係者の予測を目にしてきたが、ここまで言い切ったのは記憶にない。

記事の中身は以下の通り。
JR久大本線 日田駅(大分県日田市) ※写真と本文は無関係です

【ダイヤモンドの記事】

そんな中、鍵を握るのはドル円レートだ。海外ヘッジファンドがリスクオフの円買いを進めていることもあり、年初から円高に振れている。さらに円高が進めば、企業業績の悪化懸念から日本株はさらに下がる。今年7月に参議院選挙を控える安倍政権にとっては、株価下落は何としても避けたいところだ。

そこで浮上してきたのが、日本銀行の追加緩和観測だ。右図で示したように、名目実効円相場は前回の追加緩和時と同じ円高水準に接近している。「1月にドル円レートが116円を割り込めば、百パーセント追加緩和に踏み切るだろう」(高島修・シティグループ証券チーフFXストラテジスト)。

年初の急落で、リスクに過敏に反応する相場の脆弱性があらわになった。16年の大波乱相場は、まだ始まったばかりだ。

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まず高島氏のコメントで驚くのは「100%」と言い切っている点だ。「100%」には逃げ場がない。その点で「99%」とは決定的に違う。「116円を割り込めば」という条件も凄い。例えば「1月に100円を割り込めば」ならば、まず実現しないので「その場合は100%追加緩和がある」と断定しても予測が外れる可能性はほぼゼロだ。しかし「116円割れ」はすぐに実現してもおかしくない。先週には116円台半ばまで円高が進行する場面もあった。

「なぜ116円割れだと追加緩和なのか」「なぜ100%と断言できるのか」は謎だが、よほどの根拠と自信がなければ、ここまでの発言はできないはずだ。予測が的中するかどうかだけでなく、高島修氏にも注目していきたい。


※記事の評価はC(平均的)。大坪稚子記者への評価はD(問題あり)を維持するが、引き上げの方向で注視していく。前田剛記者への評価は暫定でCとしたい。大坪記者に関しては「週刊ダイヤモンド 『ギリシャ危機』訂正記事に見出す希望」を参照してほしい。

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