2015年7月16日木曜日

日経ビジネス「始まった都心争奪戦」の都心とは?(1)

日経ビジネス7月13日号の特集「ニトリ、銀座へ~始まった都心争奪戦」は苦しい内容だった。まず「都心」の使い方がおかしい。「(小売業にとって)都心は、企業の成長をけん引する『ラストリゾート』なのか。日本経済の底力を試す、壮大な実験が始まった」と書いているので、「都心なんて成長をけん引するにはエリアとして狭すぎるだろう」と思った。結論から言うと、日経ビジネスが言う「都心」とは「都市部」のことらしい。

それが表れているのが「東京23区を攻める ニトリホールディングスの主な都心の店舗」という地図だ。都心店舗として江戸川区、足立区、板橋区、世田谷区などの店に★印が付いている。その中にはデコホームヨドバシ吉祥寺店も含まれる。これは「★印は東京23区内の店」という注記と食い違うので、日経ビジネスに問い合わせをした。内容は以下の通り。

【日経ビジネスに問い合わせた内容】
デンハーグ(オランダ)のマウリッツハイス美術館に展示してある絵画
                    ※写真と本文は無関係です

7月13日号の28ページの地図についてお尋ねします。「2014年以降に東京23区内に出店もしくは計画中の店舗以外は●で表示した」との注記があり、デコホームヨドバシ吉祥寺店を★で表示しています。しかし、この店は武蔵野市にあります。表記ミスと考えてよいのでしょうか。正しいとすればその根拠も教えてください。また、吉祥寺の店もそうですが、江戸川区や足立区の店を「都心の店舗」に含めるのは不適切でしょう。「都心」とは「大都市の中心部」という意味です。


東京の「都心」に明確な定義はない。常識的には千代田区、中央区、港区あたりか。広く捉えても山手線の内側にかかる区までだろう。江戸川区に住んでいる人が「都心に住んでるから…」と言ったら「どこが都心だよ」とツッコミたくなる。今回の特集で「都心=東京23区」「都心=東京都全体」などと定義したのならば、それを読者に明示してほしい。

「都心」の範囲をどう捉えているのかと疑問が湧く部分は他にもある。「都心駅周辺での出店は地下1階~地上2階が中心だったが、最近では上層階で居酒屋などの撤退後に入るケースが目立っている」との説明を付けた表では、ガストの「大宮ラクーン店」「姫路駅前店」「川崎駅前本町店」などが「すかいらーくが展開する『空中階』店」に入っている。日経ビジネスの判断では、これらも「都心駅周辺での出店」なのだろうか。「都市部の駅周辺での出店」ならば違和感はないのだが…。


※他にも特集には気になる点があった。(2)で指摘を続ける。

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