耳納連山と菜の花畑(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
【日経への問い合わせ】
21日の朝刊総合・経済面に載った「データで見る外国人材と拓く~世論調査、賛否42%で真っ二つ 若年層は6割が賛成」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは以下の記述です。
「高齢者の影響力が大きい『シルバー民主主義』の現状を考えれば、移民政策への慎重姿勢も説明はつく。2016年の参院選で70代以上の投票率は61%で10代の47%、20代の36%を圧倒した。第1次ベビーブームの『団塊の世代』はすでに70代に差し掛かっており、人口も増加中だ」
記事の説明を信じれば、「団塊の世代」の人口は「増加中」のはずです。しかし、原理的にあり得ません。「団塊世代」とは「1947年から49年までの3年間に日本で生まれた世代」を指すのが一般的です。団塊の世代の出生数は約806万人で、2005年時点でも約678万人が生存しているようです。新たに「団塊の世代」に入ってくる人はいないので、人数は今までもこれからも減る一方です。海外からの移住者まで含めて「団塊の世代」に入れれば「人口も増加中」になる可能性はありますが、日本は70歳前後の移民を大量に受け入れている状況にないので、「団塊の世代」を広義で捉えても増加しているとは考えられません。
取材班は「70代以上は人口も増加中」と言いたかったのかもしれません。しかし、記事の書き方からは「団塊の世代は人口も増加中」と解釈するほかありません。記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。正しいとすれば、その根拠も併せて教えてください。間違いの場合は、訂正記事の掲載もお願いします。
御紙では読者からの間違い指摘を握りつぶす対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。
◇ ◇ ◇
日経からの回答は見込めないので、取材班がどういうつもりで「人口も増加中」と記したのは分からない。「70代以上は人口も増加中」と言いたかったのだとは思うが、だとしたら書き方が下手すぎる。まともに日本語を操れていない。
※結局、回答はなかった。
※今回取り上げた記事「データで見る外国人材と拓く~世論調査、賛否42%で真っ二つ 若年層は6割が賛成」
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170321&ng=DGKKZO14281810R20C17A3NN1000
※「外国人材と拓く」という連載に関しては以下の投稿も参照してほしい。
「高度人材が根付かず」に疑問あり 日経「外国人材と拓く」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/03/blog-post_20.html
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