2018年7月10日火曜日

「日本はHFTほとんどない」? 日経 松崎雄典編集委員に問う

10日の日本経済新聞朝刊に載った記事で、松崎雄典編集委員が「日本はHFTもほとんどない」と断言していて驚いた。日本でも「HFT」は珍しくない。日経には以下の内容で問い合わせを送った。
「ゆめタウン久留米」周辺で起きた冠水
(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係です

【日経への問い合わせ】

日本経済新聞社 編集委員 松崎雄典様

10日の朝刊投資情報面に載った「一目均衡~投資文化、まずは人材から」という記事についてお尋ねします。記事中で松崎様は「日本はテクノロジーを駆使するトレードで海外に遅れ、HFTもほとんどない」 と言い切っています。しかし、「HFT(超高速取引)」に関する2月3日付の用語解説記事で御紙は以下のように説明しています。

「(HFTは)米国発だが日本株市場でもここ数年で存在感を高めている。サーバーを物理的に取引所の売買システムに近い距離に設置して注文を出す『コロケーション』という仕組みを用いる。東証では注文全体の約7割がコロケーション経由とされる

東証では注文全体の約7割がコロケーション経由」であれば「日本はHFTもほとんどない」とは言えません。「一目均衡 」での説明は誤りではありませんか。それとも2月3日付の記事が間違っているのですか。どちらにも問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

御紙では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。「世界トップレベルのクオリティーを持つメディア」であろうとする新聞社として、責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

回答はないだろうが、あるとすれば「日本はHFTもほとんどない=日本の投資家はHFTをほとんど手掛けていない(日本でのHFTのほとんどは外国人投資家によるもの)」との趣旨だと言ってきそうな気がする。だが「日本はHFTもほとんどない」と書いてあれば、「日本市場ではHFTがほとんど見られない」と解釈するのが自然だ。

追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事「一目均衡~投資文化、まずは人材から
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180710&ng=DGKKZO32789090Z00C18A7DTA000


※記事の評価はD(問題あり)。松崎雄典編集委員への評価はDを維持する。松崎編集委員に関しては以下の投稿も参照してほしい。

日経 松崎雄典記者へ問う 「0.07ポイント差は有意?」 
http://kagehidehiko.blogspot.com/2015/08/007.html

書かせすぎでは? 日経証券部 松崎雄典記者「一目均衡」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2015/10/blog-post_58.html

円はドルより「安全」?日経 松崎雄典記者の1面解説記事
http://kagehidehiko.blogspot.com/2016/01/blog-post_17.html

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