2018年5月22日火曜日

日経の記者は本田選手の「お疲れ様です」を「無言」と判断?

報道陣の呼びかけに対して「お疲れ様です」とだけ言い残して立ち去った場合、「報道陣を前に無言を貫いた」と言えるだろうか。サッカー日本代表の合宿に関する記事で、日経は本田選手に関して「無言を貫き」と言い切っているが、どうも違うようだ。日経には以下の内容で問い合わせを送った。
土石流被災家屋保存公園(長崎県島原市)
         ※写真と本文は無関係です


【日経への問い合わせ】

22日の朝刊スポーツ面に載った「西野J『ベストなチームつくる』~海外組が合宿開始 30日ガーナ戦」という記事についてお尋ねします。記事では「本田は報道陣を前に無言を貫き」と説明していますが、事実に反するのではありませんか。

デイリースポーツでは「(本田は)練習後、報道陣の呼び掛けには『お疲れ様です』とひと言だけ残し、徐々に集中力を高めているようだった」と報じています。スポーツ報知も「本田圭佑はランニングを中心としたメニューを精力的にこなした。練習後は報道陣の呼びかけには応じず『お疲れさまです』と会釈して、会場を後にした」と伝えています。

2つのスポーツ紙がともに「お疲れ様です」という言葉を伝えているので、本田選手が「報道陣を前に無言」を貫いた可能性は非常に低いでしょう。御紙の記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

報道陣の呼びかけには応じず『お疲れさまです』と会釈して、会場を後にした」と「本田は報道陣を前に無言を貫き」では、本田選手に関する印象が全く変わってきます。もちろん後者の方が印象は悪くなります。そうした点にも十分に配慮した報道をお願いします。

また、御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。クオリティージャーナリズムを標榜する新聞社として、掲げた旗に恥じぬ行動を心掛けてください。

付け加えると「初日からのメンバーもシーズンの疲労を抱えて一息入れている状態だ。香川(ドルトムント)は故障が癒えたばかり」との説明も引っかかりました。

香川選手は12日のドルトムントでのシーズン最終戦で後半30分から出場しましたが、2月10日以来のリーグ戦復帰のようです。また、本田選手はメキシコでのシーズン最終戦が4月28日で、今月初めには日本に戻っています。こうした選手も「疲労を抱えて一息入れている状態」なのでしょうか。ちょっと考えにくい気がします。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事「西野J『ベストなチームつくる』~海外組が合宿開始 30日ガーナ戦
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180522&ng=DGKKZO30789810R20C18A5UU8000


※記事の評価はD(問題あり)

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