2018年2月26日月曜日

男子の分析が欲しい日経「スピード有終の金 平昌五輪」

平昌五輪が閉幕した。それを受けて26日の日本経済新聞朝刊スポーツ1面に「スピード有終の金 平昌五輪 実った強化策、V字回復」という記事が出ている。この中に2つ引っかかる点があった。まず「V字回復」なのかという問題。もう1つは、なぜ「男子」に触れないのかだ。記事の全文は以下の通り。
久留米学園高校(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係です

【日経の記事】 

スピードスケート陣は、競技最終日の24日に女子マススタートで高木菜那(日本電産サンキョー)が金メダルを獲得して有終の美を飾った。前回ソチ五輪のメダル0、入賞4から、メダル6(金3、銀2、銅1)を含む入賞15とV字回復を達成。今大会の日本選手団躍進の「主役」となった。

 日本スケート連盟は昨年末、今季前半戦の好成績を受け、メダルの目標を「金メダルを含むメダル4つ」から「複数の金を含むメダル4つ」へと上方修正した。結果は金3つを含む6個と、望外の好成績。湯田淳監督は「16人の最強の選手団が自分のベストパフォーマンスを発揮することに集中した。日本は世界1位になれるだけの、ポテンシャルを十分秘めた国であると再確認できた」と選手たちをたたえた。

日本連盟は惨敗したソチ五輪後に、所属先でバラバラに練習していたトップ選手を集めてナショナルチームを結成。小平奈緒(相沢病院)ら一部を除く約20人のトップ選手が切磋琢磨(せっさたくま)しながら、一緒に活動する体制に改めた。

また外国人指導者を招き、強国オランダからヨハン・デビット氏がコーチに就任。スポーツ科学に基づく年間トレーニング計画や徹底したデータ管理で選手の才能を開花させた。高木菜は2個目の金メダル獲得から一夜明けた25日の記者会見で、「ヨハンはオランダの中でもきつい練習をするコーチだけど、日本人は言われたことを最後までやる。オランダの練習の強さと、日本のよいところが、うまく組み合わさって今がある」と4年間の成長を振り返った。(金子英介)


◎バンクーバー五輪は好成績?

バンクーバー五輪で平昌並みの好成績を収めて、その後にソチで惨敗だったのならば「V字回復」でいいだろう。だが、バンクーバーでのスピードスケートは金なしのメダル3個と微妙な成績だった。「V字回復」はちょっと苦しい。

その上に、平昌での「男子」を完全に無視して話を進めている。記事では「湯田淳監督」の「16人の最強の選手団が自分のベストパフォーマンスを発揮することに集中した」とのコメントを紹介している。「16人」には男子も含む。「スピードスケート陣」の「16人」について論じるのならば、メダルゼロの男子にも触れるべきだ。

日本連盟は惨敗したソチ五輪後に、所属先でバラバラに練習していたトップ選手を集めてナショナルチームを結成」したことが、女子では好成績につながったのに、男子ではなぜ目立った効果を上げなかったのか。平昌五輪での「スピードスケート陣」を総括するならば、その分析は欲しい。


※今回取り上げた記事「スピード有終の金 平昌五輪 実った強化策、V字回復
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180226&ng=DGKKZO27375480V20C18A2UU1000


※記事の評価はC(平均的)。金子英介記者への評価も暫定でCとする。

0 件のコメント:

コメントを投稿