2017年9月6日水曜日

天然ガスは「高止まり」? 週刊ダイヤモンド堀内亮記者に問う

週刊ダイヤモンド9月9日号の「Inside~産ガス国に反旗を翻した日韓『LNG取引』主導権争いが勃発」という記事におかしな説明があった。「2008年以降、天然ガスの価格は米国・欧州で下がる一方なのに、原油価格と連動する日本では高止まりしている」と筆者の堀内亮記者は言うが、08年に比べれば原油価格は大きく下がっている。なのに「原油価格と連動する日本で」天然ガス価格が「高止まり」するだろうか。
豪雨被害を受けた福岡県朝倉市※写真と本文は無関係です

以下の内容でダイヤモンド編集部に問い合わせを送ってみた。

【ダイヤモンドへの問い合わせ】

週刊ダイヤモンド編集部 堀内亮様

9月9日号の「Inside~産ガス国に反旗を翻した日韓『LNG取引』主導権争いが勃発」という記事についてお尋ねします。

記事には「2008年以降、天然ガスの価格は米国・欧州で下がる一方なのに、原油価格と連動する日本では高止まりしている」との記述があります。08年と言えば、WTI相場が1バレル当たり147ドルの最高値を付けた年です。最近はこの高値を100ドルほど下回る水準で推移しています。日本の天然ガス価格が「原油価格と連動する」のならば、「2008年以降」に「高止まりしている」のは不可解です。

新電力ネットによると、08年以降に日本の天然ガス価格は大きく下げているようです。08年は100万BTU当たり11.59ドルでしたが、17年6月には5.52ドルと半値以下になっています。年次の推移を見ると、09年に大きく下げた後、12年に18.15ドルまで上げ、その後は下げ基調が続く展開になっています。「高止まり」とは「高水準で横ばい」という意味ですが、実際にはかなり激しく上下しています。

「米国・欧州で下がる一方」との説明にも問題がありそうです。例えば欧州の場合、10年の8.22ドルが12年には11.98ドルまで上昇しており「下がる一方」とは言えません。17年6月の価格を前年同月比で見ても、米国は14%、欧州は23%のプラスです。

08年以降の天然ガス価格について「米国・欧州で下がる一方」なのに「日本では高止まりしている」との説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題ないとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が目立っています。日本を代表する経済メディアとして、責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた記事「Inside~産ガス国に反旗を翻した日韓『LNG取引』主導権争いが勃発
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/21183


※記事の評価はD(問題あり)。堀内亮記者への評価も暫定でDとする。今回の記事に関しては以下の投稿も参照してほしい。

堀内亮記者の説明下手が目立つ週刊ダイヤモンド「Inside」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/inside.html

0 件のコメント:

コメントを投稿