2017年9月14日木曜日

労働法制は正社員が前提? 日経「働き方改革 さびつくルール」

14日の日本経済新聞朝刊1面に載った「働き方改革 さびつくルール(下)悩めるフリーランス 個の力 生かす仕組みを」という記事に間違いだと思える説明があった。「日本の労働法制は企業で正社員として終身雇用されることを前提に、働く人を保護してきた」という部分だ。本当に日本では「正社員として終身雇用される」人以外を保護しない「労働法制」でやってきたのだろうか。
九州北部豪雨後の福岡県東峰村
       ※写真と本文は無関係です

以下の内容で担当者らに問い合わせを送ってみた。

【日経への問い合わせ】

日本経済新聞社 瀬川奈都子様 横田祐介様 島本雄太様 田村匠様

「働き方改革 さびつくルール(下)悩めるフリーランス 個の力 生かす仕組みを」という記事についてお尋ねします。記事には「日本の労働法制は企業で正社員として終身雇用されることを前提に、働く人を保護してきた」との記述があります。これを信じれば、現状では派遣社員など非正規雇用の労働者を保護する法律はないはずです。

しかし、日本にはパートタイム労働法や労働者派遣法が既にあります。労働者派遣法の正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」です。「派遣労働者の保護等に関する法律」だと明示しています。「正社員として終身雇用されることを前提に、働く人を保護してきた」のならば、「派遣労働者の保護等に関する法律」は存在しないはずです。

「日本の労働法制は企業で正社員として終身雇用されることを前提に、働く人を保護してきた」との説明は誤りだと判断してよいのでしょうか。問題ないとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。クオリティジャーナリズムを標榜する新聞社として、掲げた旗に恥じない行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

回答はないだろう。この記事には他にも気になる説明がかなりあった。それらは別の投稿で触れる。


※今回取り上げた記事「働き方改革 さびつくルール(下)悩めるフリーランス 個の力 生かす仕組みを
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170914&ng=DGKKZO21104830U7A910C1MM8000

※記事の評価はE(大いに問題あり)。

※今回の連載に関しては以下の投稿も参照してほしい。

結論が逆では? 日経1面「働き方改革 さびつくルール」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post_12.html

強引に「落とし穴」を見出す日経「働き方改革 さびつくルール」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post_89.html

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