2017年9月4日月曜日

小売り値下げで「納入先」に過剰な負担? 日経社説の誤り

4日の日本経済新聞朝刊総合・政治面に載った「小売り値下げに2つの懸念」という社説に誤りと思える記述があった。「仕入先」と「納入先」を間違えている気がする。日経に送った問い合わせの内容は以下の通り。
豪雨被害を受けた大行司駅(福岡県東峰村)
          ※写真と本文は無関係です

【日経への問い合わせ】

4日付の朝刊に掲載された「小売り値下げに2つの懸念」という社説についてお尋ねします。社説では「大手小売り各社が安売り志向を強めている」と述べた上で、「今の値下げ合戦はビジネスモデルの改革を伴っているか。従業員や納入先に過剰な負担を与える値下げだとしたら、長続きしない」と問題提起しています。

ただ、「値下げ」が「納入先に過剰な負担を与える」可能性はほぼゼロです。「納入先」とは「金品を納める相手」(実用日本語表現辞典 )です。「大手小売り各社」の場合は、主に消費者が「納入先」に当たります。消費者としては、値下げによって従来より安く買えるようになるので、基本的に「負担」は減ります。

当該部分の「納入先」は「仕入先」などとすべきではありませんか。「納入業者」ならば「仕入先」を指すとの解釈もできますが、小売りに関して「仕入先」を「納入先」と呼ぶのはかなり無理があります。

記事の説明は誤りと判断してよいのでしょうか。問題ないとすれば、その根拠も併せて教えてください。

御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。クオリティジャーナリズムを標榜する新聞社として、掲げた旗に恥じない行動を心掛けてください。


◇   ◇   ◇

納入先=金品を納める相手」であり、小売り各社は仕入れ先に代金を「納める」ので仕入先も「納入先」だとの弁明は不可能ではない。ただ、一般的に仕入先を「納入先」と呼ぶかと言えば違う。なので、社説の記述は「誤り」と考えてよいだろう。

追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた社説「小売り値下げに2つの懸念
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170904&ng=DGKKZO20711550U7A900C1PE8000

※社説の評価はD(問題あり)。この社説に関しては以下の投稿も参照位してほしい。

「懸念」の必要なし 日経社説「小売り値下げに2つの懸念」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post_5.html

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