2017年9月11日月曜日

昔の津田塾は「女の東大」? 週刊ダイヤモンド特集「大学序列」

週刊ダイヤモンド9月16日号の特集「1982~2017 35年の偏差値と就職実績で迫る大学序列」で「それはないだろう」と強く感じたのが、昔は「津田塾大女の東大」だったという話だ。特集のPart 2「『MARCH』女子 大争奪戦中」の中に2回も出てくる。まずは「女子大の役割は終わったのか トップ群も偏差値下落」という記事だ。
筑後川(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です

【ダイヤモンドの記事】

冒頭の一文の最初に出てくる津田塾は、私立女子大の最高峰。昔は「女の東大」とまで呼ばれた。同大学芸学部の1992年の偏差値は74。早慶上智に準ずる位置にいた。

注:「冒頭の一文」=「津田の東の本女(ぽんじょ)には、セイント・フェリスの泉あり。大妻・実践・共立の昭和女の白百合は武蔵野跡に咲き乱れる


◎「女の東大」はお茶の水では?

高橋裕子(津田塾大学学長)インタビュー」という記事の冒頭でも「昔は『女の東大』とも呼ばれた、私立女子大の最高峰である津田塾大学」と書いている。

国立も含めて「女子大の最高峰」と言えば、1992年も今もお茶の水女子大だと思える。津田塾が「昔は『女の東大』とまで呼ばれた」という話は初耳だ。そう呼んでいた人がいないとは言わないが、かなり少数ではないか。お茶の水が国立で津田塾が私立ということを考えても、「女の東大」はお茶の水の方がしっくり来る。

ちなみに、特集に出てくる数表で92年と17年のお茶の水の偏差値を見ると、生活科学(64→68)、文教育(68→70)、理(64→65)といずれも上昇している。「女子大の役割は終わったのか トップ群も偏差値下落」というストーリーに合わせるために「女子大の最高峰」のお茶の水を外したのではとの疑念も生じる。

想定に合わないからといって除外せずに、津田塾とお茶の水でなぜ差が生じたのかを分析しても良かったはずだ。その辺りは柔軟に考えてほしい。単に「お茶の水は頭になかった」という場合、女子大に関する記事を書く資格がないと言うべきだろう。


※今回取り上げた記事「女子大の役割は終わったのか トップ群も偏差値下落
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/21218


※記事の評価はD(問題あり)。今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

偏差値トップは東大理3? 週刊ダイヤモンド「大学序列」の矛盾
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post_68.html

九州知らずが目立つ週刊ダイヤモンド特集「大学序列」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/09/blog-post_17.html

1 件のコメント:

  1. こんにちは。

    津田塾が「女東大」って呼ばれていたって話はwikipediaによると、今から8年前に書かれたhttps://www.shidaikyo.or.jp/newspaper/online/2370/4_1.htmlの記事で「女東大」の記述があるとのことです。

    またちょっと話はずれるかもしれないのですが、津田塾の教員の中にも津田塾のことを「かつて女東大と呼ばれていた」と言っている人がいるみたいです。(例:http://www.mishimaga.com/osekkai/019.html)

    後これは「インターエデュ」という掲示板の情報なのでかなり不確かなのですが、津田塾が「女東大」と呼ばれていたのは記事で扱われている1992年よりもさらに前の1975年ごろではないかという話があります。(https://www.inter-edu.com/forum/read.php?1327,1535665,page=4より)

    確かにお茶の水に触れてないのは片手落ちだなと私も思いますが、「津田塾が女東大と呼ばれていた」みたいな話が出るのはこういったところからじゃないでしょうか?

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