◎その言葉でなぜ「塾」へ?
大分川と由布岳(大分県由布市)※写真と本文は無関係です |
【日経の記事】
日本も教育格差と無縁ではない。「子供の貧困率」は悪化し、平均的な世帯収入の半分に満たない環境で6人に1人の子供が暮らす。
「この子がやりたいことはなんでもかなえてあげたい」。石井貴基(31)が生命保険の飛び込み営業で訪れた北海道の公営住宅。手狭な食卓で向き合ったシングルマザーの一言に心を揺さぶられた。彼女の月収は12万円。4歳の娘に良い教育を受けさせたいが、塾に通わせる余裕はない。
12年に会社を辞めた石井は、中高生向けにネットで授業を配信するアオイゼミを設立した。受験対策などをうたう同業はあったが、石井が目指すのは教育格差の解消。だから授業料は原則、無料として門戸を開いた。大学などからの広告収入、希望者向けの有料授業で運営費をまかなう。登録会員は20万人を超えた。
4歳の娘がいるシングルマザーから「この子がやりたいことはなんでもかなえてあげたい」という話を聞いて「よし。ネットで授業を無料配信する塾を作ろう」と思うのは、かなりの飛躍がある。4歳の娘が「塾に行きたい」とは言わないだろうし、母親の「なんでもかなえてあげたい」は受験関連とは限らないはずだ。もっと行数を割けば、納得できるストーリーになるのだろうが…。
◎「ITで格差埋めろ」はどこへ?
【日経の記事】
「みんなでこの英文を訳してみよう」。長村裕(34)が声をかけると、生徒が問題に向き合う。ここは福岡県のある公立中学校。長村は非営利団体のティーチフォージャパン(TFJ)に所属する講師として教壇に立つ。TFJは全国の公立学校の求めに応じて講師を送り込む。担い手は社会人経験者を中心に約40人を数えるまでになった。
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最後の事例ではついに「IT」も「格差」も関係なくなってしまった。実際にはTFJがITを駆使して格差縮小に取り組んでいるのかもしれないが、記事からは単なる講師派遣業のように見える。
※詰め込み過ぎの感はあるが、目立った大きな問題はないので、記事の評価はC(平均的)とする。
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