2016年2月1日月曜日

週刊ダイヤモンド 小泉進次郎インタビューは本当に「独占」?

週刊ダイヤモンドの志の低さを象徴していると言うべきだろうか。2月6日号の特集「攻めに転じる大チャンス 儲かる農業」の中に「本誌独占インタビュー 小泉進次郎が挑む『農業改革』三つの公約」という記事がある。これは本当に「独占インタビュー」なのか。そう感じたのは、1週前の週刊エコノミスト2月2日号に「小泉進次郎 独占インタビュー『農林中金はいらない』」という記事が出ていたからだ。

合所ダム(福岡県うきは市) ※写真と本文は無関係です
独占インタビュー」と見出しに出ていると「小泉進次郎氏は他のメディアの取材には応じなかったのだな」と思ってしまう。しかし、結果的に2誌にインタビュー記事が出ているのだから、どちらも「独占」とは言えない。

エコノミストから1週遅れて「独占インタビュー」を掲載したダイヤモンドには特に問題を感じる。遅くとも1月25日(月)の時点では「独占ではない」と気付いたはずだ。その後に見出しから「独占」を外す時間的余裕はあったと思える。

また、インタビュー記事の前文でダイヤモンドは以下のように書いている。

【ダイヤモンドの記事】

農業を儲かる産業へ変える──。将来の首相候補との呼び声が高い小泉進次郎衆議院議員(自民党農林部会長)が立ち上がった。これまで、政府与党が幾度となくトライしながらも農林族らの抵抗で頓挫してきた「農政改革」に、本気で挑もうとしている。その小泉氏が、大手メディアとしては初めて本誌の単独インタビューに応じた取材は昨年末と今年1月末の2回。肉声で語られる“小泉流農政改革”の全貌とは何か。三つの公約と共に明らかにする。

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見出しが「独占インタビュー」なのに記事の中では「単独インタビュー」になっているのは、多少の後ろめたさがあるからだろうか。「大手メディアとしては初めて」という書き方も引っかかった。個人的な印象では、ダイヤモンドは「大手メディア」ではないような気がする。

エコノミストの記事によると「(エコノミストの)インタビューは2016年1月12日、1時間にわたって行われた」らしい。ダイヤモンドが「取材は昨年末と今年1月末の2回」ならば、ダイヤモンドが「大手メディアとしては初めて」のインタビューなのかもしれない(ダイヤモンドが大手メディアかどうかは、ここでは問わない)。

ただ、読む側から見ればこの差に意味はない。ほぼ同時期に取材して、1週早くエコノミストがインタビュー記事を載せたのならば、ダイヤモンドに「大手メディアとしては初めて」と胸を張られても虚しく響くだけだ。

ちなみに、当然ではあるがダイヤモンドの「独占インタビュー」の内容はかなりエコノミストと重なる部分があった。これで「独占」と言われても困る。今回の件で両誌には問い合わせを送っておいた。回答が届いたら紹介したい。ダイヤモンドの対応は「無視」だとは思うが…。


※ダイヤモンドのインタビュー記事への評価はD(問題あり)とする。


追記)結局、ダイヤモンドから返事はなかった。エコノミストについては「『小泉進次郎 独占インタビュー』問題 週刊エコノミストの回答」を参照してほしい。

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