久留米百年公園の桜(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
「偏差値は、四谷大塚『合不合判定テスト』(小6生)を基にした合格可能性80%ライン」といった説明はあるが、178校をどうやって選んだかには触れていない。偏差値は44~72と幅があるので、難易度の低い学校を無条件に切っているわけでもない。
地域別に「おかしな取捨選択」を見ていきたい。まず北海道。「Part 2~全国中学・高校・中高一貫校 最新“序列”マップ」という記事には「(札幌にある)これら地元の公立高校と大学合格実績で張り合える中高一貫校が数校ある。その筆頭格が、北嶺中学校だ」「北嶺に次ぐのが函館ラ・サール中学校」と書いてある。
この2校のうち1校だけ表に入れるならば北嶺だろう。だが、北嶺が外れて函館ラ・サールが2018年の偏差値56で入っている。
次に中部を見ていく。「中部地区は、医学部合格に圧倒的な強さを誇る東海中学校を頂点とした序列に変わりはない」という。しかし、偏差値の表に「東海」の文字はなく、なぜか同じ中部の「海陽」は入っている。東海が「圧倒的な強さ」ならば海陽はかなり下のランクになるはずだ。
続いて関西。「大阪で抜きんでた存在なのが男子校の大阪星光学院中学校。女子校でいえば、医志コースを擁する四天王寺中学校だ。そうした中、最近存在感を急速に高めているのが高槻中学校だ」と打ち出したものの、3校とも表には入れていない。
兵庫については「日本の最難関校である男子校の灘中学校、女子校でいえば神戸女学院中学部が筆頭格であることに変わりはない。注目は、09年に神戸大学系列の中学校2校が合併して誕生した後、12年に中高一貫校となった神戸大学附属中等教育学校だ」と書いてある。
さすがに灘は表に入っているが、神戸女学院と神戸大学附属は外れた。関西に関しては、北海道や中部のような「逆転現象」は見当たらないが、記事で「抜きんでた存在」などと書いている学校を表から外している点は引っかかった。
最後の九州は逆転現象が起きている。記事ではラ・サールの人気が落ちて、久留米大学附設が「人気も難度も逆転した」と解説している。しかし表にはラ・サールが入り久留米大学附設は漏れた。
今回の「特別付録」では首都圏の学校を中心に選んでいる印象がある。まず、首都圏の学校を偏差値の高くないところも含めて多めに入れて、余った枠に首都圏以外の学校を適当に加えた結果、こういう表になってしまったと推測できる。
※今回取り上げた特集「大学新入試に勝つ! 中高一貫校」
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/23075
※特集全体の評価はC(平均的)。担当者らの評価は以下の通りとする。
藤田章夫副編集長:暫定E→暫定C
竹田孝洋副編集長:E→C
西田浩史記者:D→C
嶺竜一氏(ライター):暫定B→暫定C
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