2015年10月7日水曜日

「金融危機から6年」? 産経の松浦肇編集委員へ質問(1)

金融危機から6年」という記述に驚いた。ダイヤモンド10月10日号に松浦肇産経新聞ニューヨーク駐在編集委員が書いた「from米国~“停滞する米国”の象徴 ポピュリスト不動産王 米大統領選で快進撃」という記事には、はっきりとそう書いてある。2008年9月のリーマンショックからならば「7年」だし、07年8月のパリバショックからだと「8年」だ。金融危機の終息を2009年と捉えて、そこから「6年」と弁明することはできるかもしれないが、説明としては強引すぎる。
シーサイドももち海浜公園(福岡市早良区) ※写真と本文は無関係です

問題は他にもある。「金融危機から6年」に続けて、松浦編集委員は「(米国で)失業率が低下したといっても、職を探している人が減っただけ」とも書いている。これまた怪しい。注目度の高い非農業部門の雇用者数を見ると、2010年頃を底に増加へ転じ、リーマンショック前の水準を上回って増え続けている。こうした雇用の拡大も失業率の低下に寄与していると考えるべきだろう。

上記の件で、ダイヤモンド編集部に問い合わせをしているが、最近のパターンから判断すると回答はなさそう。「記事に問題あり」との前提で言うと、このレベルの間違いを立て続けにしてしまうようでは、書き手としてかなり苦しい。「説明に問題ない」と松浦編集委員が考えているならば、ぜひ質問に回答してほしい。

記事の出来も全体として良くない。松浦編集委員に反省を促す意味で、(2)では上記以外の問題点を指摘してみたい。

※(2)へ続く。

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