2015年10月5日月曜日

「本社コラムニスト」の肩書に値しない日経 脇祐三氏の「核心」

5日の日経朝刊オピニオン面「核心~難民に揺らぐ欧州と中東  米の無策、ロシアが攻勢」の筆者である脇祐三氏には「本社コラムニスト」という肩書が付いている。これは返上した方が賢明だろう。今回の「核心」は欧州の難民問題やシリア情勢に関して、これまでの流れを説明しているに過ぎず、コラムニストとしての独自分析らしきものは見当たらない。この内容ならば、国際部の若手記者にでも書かせれば済む。「核心」という深い分析を期待させるようなコラムに「本社コラムニスト」が執筆する内容ではない。

シーサイドももち海浜公園(福岡市早良区) ※写真と本文は無関係です
記事ではまずシリアからの難民に触れ、欧州で対応が割れている様子を描いている。さらに、ロシアによるシリアへの軍事介入に話を進め、米国がシリアでのイスラム国掃討に有効な手を打てていない現状を紹介している。自分なりの分析を述べるための前置きとしてなら、これでいい。しかし、「おさらい」だけで記事はほぼ終わってしまう。

脇氏は記事をこう結ぶ。「米欧の消極的関与の隙間を突いて、ロシアがシリア情勢転換の主導権を握り、将来のシリアや中東での影響力確保を狙う。現状は、オバマ政権が政治的願望に終始し、有効な策を打ってこなかった帰結といえる」。長々とおさらいをして、訴えたかったのはこれだけなのか。ここに「自分にしか書けない分析」はあるのか。

「記事はこれまでのシリア情勢のおさらいです」というのであれば、出来はそれほど悪くない。日経の中では平均以上の完成度だ。しかし「核心」に「本社コラムニスト」が書く内容としては、あまりに物足りない。今後も「本社コラムニスト」として記事を世に送り出すつもりならば、「自分は何を訴えたいのか。そこに独自性や新規性はあるのか」を考えてほしい。

※記事の評価はC(平均的)、脇祐三氏への評価もCとする。あえて繰り返すが、「本社コラムニスト」の肩書は外した方が賢明だ。

1 件のコメント:

  1. 兎に角聞き取りにくい発言が目立ちます。発言中の身ぶり、手振りが多過ぎて、大袈裟なので、気になって聞いていられない。しかも、早口で発音が悪い。

    返信削除