2015年10月2日金曜日

最優秀記事は東洋経済「公明党・創価学会特集」 7~9月

「経済記事」と呼べるかは微妙ではあるが、2015年7~9月期の最優秀経済記事は東洋経済9月26日号の第2特集「公明党、創価学会よ どこへ行く」としたい。リスクを取った危険な香りのする特集が日経はもちろん東洋経済やダイヤモンドにもあまり見られなくなる中で、今回の特集はあえてリスクを引き受けている雰囲気が紙面から漂ってきた。
福岡県朝倉市の三連水車 ※写真と本文は無関係です

特集の中でも特にリスクが高そうだった「スクープ 特高警察との知られざる蜜月時代 極秘資料が物語る『戦時』創価学会の真実」という記事を書いたジャーナリストの高橋篤史氏を最優秀ライターとする。

7~9月期の最悪経済記事には、9月4~12日に日経の朝刊1面に載った「新産業創世記~消える垣根」を選んだ。この連載は日経の1面企画に見られる典型的な失敗例だ。この手の連載では「社会を一変させるような大きな動きが起きている」と宣言した上で様々な事例を紹介していくが、事例はそれほど新規性がなかったり、記事の趣旨とズレたものだったりする。中でも今回は特に完成度が低かった。いずれ第2部が始まるのだろうから、次は改善策を講じてほしい。

最悪ライターは日経ビジネスの大西康之編集委員とする。7月20日号の「時事深層 広がる東芝会計問題の『闇』 ~『不適切』が『粉飾』に変わるとき」という記事で、大西編集委員は東芝の問題に触れながら「不正を放置すれば、日本市場そのものの信頼が失墜し、日本の衰退につながりかねない」などと書いていた。

シャープと鴻海精密工業(台湾)の提携について、「シャープが、日本の電機大手として初めて国際提携に踏み込んだ瞬間である」と明らかに誤った説明をしたにもかかわらず、問題を指摘されても適切な対応を取らなかった大西編集委員に、東芝の不正会計を批判的に論じる資格はない。「自らの問題にけじめを付けるのが先ではないか」と助言しておく。

※上記の内容に関しては以下の投稿を参照してほしい。

★リスク恐れぬ姿勢を評価 東洋経済「公明党・創価学会特集」

★初回から無理がある1面企画 日経「新産業創世記」
★早くも破綻状態? 日経「新産業創世記」取材班への助言
★次回は根本的な見直しを 日経1面「新産業創世記」

★東芝批判の資格ある? 日経ビジネス 大西康之編集委員 

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