2019年6月8日土曜日

日経 中村直文編集委員「50代のアイコン」の説明が違うような…

日本経済新聞の中村直文編集委員の問題点を繰り返ししてきしてきたが、改善の兆しは見えない。7日の朝刊企業1面に載った「ヒットのクスリ~波平から福山雅治 若返る50代像 世代超えた商品人気に」という記事も苦しい内容だった。いくつか注文を付けておきたい。
久留米市の千光寺(あじさい寺)
      ※写真と本文は無関係です

まず以下のくだりだ。

【日経の記事】

若者から見た50代は今とかつてでは違うのだろうか。シニア消費に詳しい未来ビジョン研究所(東京・新宿)の阪本節郎所長に聞くと「若い世代から見た50代のイメージは変わった」と指摘する。

阪本所長によると1970年代までの50代のアイコンは山村聰さんや小林桂樹さんなどの渋い名優で、「雲の上のような存在」と話す。昭和のお父さんを代表するサザエさんの磯野波平さんは54歳。公式プロフィルにも「威厳と貫禄たっぷりのお父さん」とある。

だが年代とともにアイコンは様変わりする。80年代は石原裕次郎さんで兄貴的な要素が強まる。00年代は渡辺謙さん。50代を「格好いい」までに引き上げた。そして今の50代アイコンは俳優でアーティストの福山雅治さんや佐々木蔵之介さん。格好いいだけでなく「何でも話せそうな親近感のある50代になった」と阪本所長は分析する。



◎50代のアイコン「80年代は石原裕次郎さん」?

まず「50代のアイコン」が「80年代は石原裕次郎さん」という説明が引っかかる。「石原裕次郎さん」は1987年に52歳で亡くなったようだ。だとすると80年代前半は40代で、50代も3年足らずで終わっている。それで「50代のアイコン」が「80年代は石原裕次郎さん」と言えるだろうか。

50代で出演した作品で世間に強烈なインパクトを与えたのならば、まだ分かる。だが、代表作のテレビドラマ「太陽にほえろ!」で「ボス」役を演じていたのは主に40代だ。「40代のアイコン」が「70年代は石原裕次郎さん」とは言えそうな気もするが…。

個人的には「太陽にほえろ!」の「ボス」を演じていた「石原裕次郎さん」に「兄貴的な要素」は全く感じなかった。「強面のオッサン」という印象だ。「磯野波平さん」以上に「威厳と貫禄たっぷりのお父さん」的存在だった。

00年代は渡辺謙さん」も苦しい。1959年生まれの「渡辺謙さん」は「00年代(2000~2009年)」のほとんどが40代に当たる。

次に移ろう。

【日経の記事】

昭和はアイドルもゲームも大人になるために卒業した。小学館のコロコロコミックは小学5年生までの男子が主な対象で、異性への興味が高まる頃に卒業する。コロコロコミック編集部はそれを「元服」と言っていた。

だが今は違う。「アイドルも作る側が『アイドル、ずっと好きでいいですよ』っていうかたちに変えていった」(堀井氏)。ライフサイクルの定型が崩れ、何歳になっても大人になれない、大人にならない人々が急増した。この流れはアイドルのみならず様々な売れ筋の変化を演出している。



◎説明になってないような…

小学館のコロコロコミックは小学5年生までの男子が主な対象で、異性への興味が高まる頃に卒業する。コロコロコミック編集部はそれを『元服』と言っていた。だが今は違う」という流れであれば、今では「コロコロコミック」を中高生や大人も読んでいるという話が要る。

しかし、なぜか「アイドル」に話が移ってしまう。「アイドル」の説明を生かしたいのならば、「アイドル」の応援も一定の年齢に達すると「卒業」していた事例を持ってくるべきだ。この辺りに書き手としての技量不足を感じる。

コロコロコミック」に関して言えば「異性への興味が高まる頃に卒業する」傾向は今も変わらない気がする。それだと話の辻褄が合わないので、おかしな説明になってしまったのだとは思う。その場合、「コロコロコミック」の話は思い切って捨てるべきだ。



※今回取り上げた記事「ヒットのクスリ~波平から福山雅治 若返る50代像 世代超えた商品人気に
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190607&ng=DGKKZO45688130U9A600C1TJ1000

※記事の評価はD(問題あり)。中村直文編集委員への評価もDを維持する。中村直文編集委員に関しては以下の投稿も参照してほしい。

無理を重ねすぎ? 日経 中村直文編集委員「経営の視点」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2015/11/blog-post_93.html

「七顧の礼」と言える? 日経 中村直文編集委員に感じる不安
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/05/blog-post_30.html

スタートトゥデイの分析が雑な日経 中村直文編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/06/blog-post_26.html

「吉野家カフェ」の分析が甘い日経 中村直文編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/07/blog-post_27.html

日経 中村直文編集委員「ヒットのクスリ」が苦しすぎる
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_3.html

「真央ちゃん企業」の括りが強引な日経 中村直文編集委員
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_33.html

キリンの「破壊」が見えない日経 中村直文編集委員「経営の視点」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/12/blog-post_31.html

分析力の低さ感じる日経 中村直文編集委員「ヒットのクスリ」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/01/blog-post_18.html

「逃げ」が残念な日経 中村直文編集委員「コンビニ、脱24時間の幸運」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/04/24.html

「ヒットのクスリ」単純ミスへの対応を日経 中村直文編集委員に問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/04/blog-post_27.html

日経 中村直文編集委員は「絶対破れない靴下」があると信じた?
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/05/blog-post_18.html

「絶対破れない靴下」と誤解した日経 中村直文編集委員を使うなら…
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/05/blog-post_21.html

「KPI」は説明不要?日経 中村直文編集委員「ヒットのクスリ」の問題点
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/06/kpi.html

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