横浜ランドマークタワーと帆船日本丸(横浜市) ※写真と本文は無関係です |
東洋経済オンラインには以下の内容で問い合わせを送った。オフィス・リベルタスにもほぼ同じ内容で問い合わせしている。
【東洋経済オンラインへの問い合わせ】
オフィス・リベルタス代表 大江英樹様 東洋経済オンライン 担当者様
東洋経済オンライン(7月3日付)の「投資信託を買うより割の良い投資方法はあるか 高配当株を馬鹿にしては絶対にいけない」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは以下のくだりです。
「企業が活動によって得た利益をどうやって使うかは3つの方法しかありません。①新たな事業へ投資する、②株主に利益を還元する、そして③現金として内部にためる、の3つです」
「3つの方法しかありません」と大江様は断定していますが、本当でしょうか。「企業が活動によって得た利益」は「新たな事業」ではなく既存事業への投資に使っても何の問題もないはずです。賃上げの原資とする選択もあります。また「現金として内部にためる」のではなく、国債などで運用して「ためる」方法もあります。
「3つの方法しかありません」という記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。東洋経済新報社では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。
せっかくの機会なので、追加で2点を指摘させていただきます。
「投資信託を買うより割の良い投資方法はあるか」というタイトルが付いているのに、これに対する大江様の見解を記事中で示していません。今回のテーマは「高配当株」なので、「高配当株投資は投資信託を買うより割がいいのか」に関して、答えを出すべきです。
「長期投資は何も投資信託だけの専売特許ではないことがわかります。好配当を享受しながら企業の成長を楽しみに長期的に保有するというのも資産運用の醍醐味の1つと言えるのではないでしょうか」などと書いて答えを出さないやり方は頂けません。
「ダウ工業株30種平均を構成する30銘柄の中から、年末時点で単純に配当利回りの高い銘柄上位10銘柄だけを購入、1年経った翌年末にまたその時点での新たな高利回り銘柄10銘柄に買い替える」だけの「ダウの犬」という投資戦略に関する説明にも問題があります。大江様はこの戦略について「これだけ単純なのに、年によってはダウ平均をかなり上回る成績を上げることもあるようです」と説明しています。
まず、断定せずに「あるようです」と逃げているのが気になります。データを確認していないのですか。それに「年によってはダウ平均をかなり上回る成績を上げることもある」のは当然でしょう。「30銘柄の中から」適当に10銘柄を選んでも「年によってはダウ平均をかなり上回る成績を上げる」はずです。
問題はその確率です。「過去100年のうち99年はダウ平均を上回る成績を上げた」と書いてあれば、「ひょっとすると有効な投資戦略かも」と思えます。しかし、記事中にそうした記述はありません。これでは参考にすべき情報とは言えません。
問い合わせは以上です。お忙しいところ恐縮ですが、回答をお願いします。
◇ ◇ ◇
上記の問い合わせに対し東洋経済は相変わらずの無視だが、オフィス・リベルタスのホームページを通じた問い合わせには回答があった。と言っても事実上のゼロ回答だ。
内容は以下の通り。
【オフィス・リベルタスからの回答】
お問い合わせありがとうございました。オフィス・リベルタスの大江でございます。
記事の内容につきましてのお問い合わせ等につきましては個別の回答を控えさせていただいておりますが、頂戴いたしましたご指摘は、貴重なご意見として、今後の執筆等の参考にさせていただきたく存じます。貴重なご意見、大変ありがとうございました。
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※今回取り上げた記事「投資信託を買うより割の良い投資方法はあるか 高配当株を馬鹿にしては絶対にいけない」
https://toyokeizai.net/articles/-/227364
※記事の評価はD(問題あり)。大江英樹氏への評価もDで確定とする。大江氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。
現状維持バイアスを「独自に解釈」 週刊エコノミストの回答
http://kagehidehiko.blogspot.com/2016/08/blog-post_24.html
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