九州大学伊都キャンパス(福岡市)※写真と本文は無関係です |
5日の朝刊経済面に載った「緩和の副作用 日銀内で綱引き リフレ派、早期利上げ否定 総裁ら、銀行負担に配慮」という記事では、若田部昌澄副総裁と原田泰審議委員を「リフレ派」と呼ぶ一方、この2人とはスタンスが若干異なる黒田総裁と桜井真審議委員については特に何派とも呼んでいない。見出しでは「総裁ら」だ。
記事の一部を見てみよう。
【日経の記事】
日銀の金融政策を決める9委員のうち、原田氏と若田部氏は大規模な金融緩和を主張するリフレ派として知られる。若田部氏は「デフレに戻る危機があるなら、ちゅうちょなく追加緩和すべきだ」とも語る。日銀が景気見通しを示す「展望リポート」の19年度の物価見通しは4月時点で1.8%上昇だったが、7月末の金融政策決定会合で引き下げる方向。リフレ派の2人にとってまずはデフレ脱却が最優先だ。
もっとも、超低金利の長期化に伴う「副作用への目配り論」を唱えるのは市場だけではない。物価2%がいつ実現できるか見通せないだけに、日銀内でも台頭している。
「物価が上昇しても経済の健全な発展が阻害されるようでは本末転倒だ」。5月24日に講演した桜井真審議委員はこう指摘した。桜井氏の発言には「副作用」を気遣う様子が目立った。黒田氏も6月の記者会見で「低金利環境が長期化すれば、金融システムが不安定化するリスクに注意が必要」と指摘した。
◎残りの7人は?
「日銀の金融政策を決める9委員のうち、原田氏と若田部氏は大規模な金融緩和を主張するリフレ派として知られる」と書いているので、残りの7人は「リフレ派」ではないとの判断なのだろう。
個人的には、黒田総裁も立派な「リフレ派」だと見ている。記事では、リフレ派のうちの強硬派を「リフレ派」としている印象がある。それはそれでいい。だが「そうなると黒田総裁は何派なの?」という疑問が残る。「総裁はもはやリフレ派ではない」と日経の記者が考えるのならば、「非リフレ派」でも「中間派」でもいいので色分けしてほしい。
※今回取り上げた記事「緩和の副作用 日銀内で綱引き リフレ派、早期利上げ否定 総裁ら、銀行負担に配慮」
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180705&ng=DGKKZO32608170U8A700C1EE8000
※記事の評価はC(平均的)。
0 件のコメント:
コメントを投稿