2018年1月9日火曜日

「瀬戸際に立つアパレル店舗」を描けていない東洋経済の記事

週刊東洋経済1月13日号に載った「ZOZO・アマゾンが攻勢 瀬戸際に立つアパレル店舗」という記事は、それなりによく書けている。ただ、タイトルと中身が合っていない。「ZOZO・アマゾンが攻勢 瀬戸際に立つアパレル店舗」との見出しからは「瀬戸際に立つアパレル店舗」の話が柱だと思ってしまうが、基本的に「ファッションEC市場」の分析記事になっている。
平塚川添遺跡(福岡県朝倉市)※写真と本文は無関係です

アパレル店舗」に触れた記事の終盤を見てみよう。

【東洋経済の記事】

一昔前まで、はやりの服は駅ビルや百貨店、SCで買うのが定番だった。が、ファッションEC旋風が巻き起こる中、実店舗中心の既存勢力への逆風は強まっている

「ネットのほうが安いし、自分に合った小さいサイズは店頭にないことが多い。店舗で購入するのは、親と買い物するときくらい」と、都内で働く30代の女性は話す。小誌が実施した衣服の購買に関するアンケート調査でも、「ネットは商品が豊富で安い」「自分が欲しい服は店頭にないことが多い」との声が多数上がった。

モノは買わない。それでも滞在は楽しむ。消費者の目的は変われども、既存勢力が創り上げてきた商業空間は、人が集う場として存在価値を残している。その強みをネット時代にどう発揮するか。生き残りを懸けた正念場に差しかかっている。


◎これで「瀬戸際」?

実店舗中心の既存勢力への逆風は強まっている」のは確かだろう。だが、それだけでは「瀬戸際」とは言い難い。そもそも「アパレル店舗」に関して売り上げなどのデータを示していないので、「瀬戸際に立つ」と言えるのか判断できない。「既存勢力が創り上げてきた商業空間は、人が集う場として存在価値を残している」のであれば、「瀬戸際」までは追い詰められていないとも感じる。

記事に大きな問題があるわけではないので、見出しを変えた方がいいだろう。


※今回取り上げた記事「ZOZO・アマゾンが攻勢 瀬戸際に立つアパレル店舗

※記事の評価はC(平均的)。真城愛弓記者への評価も暫定でCとする。

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