2018年1月5日金曜日

シリコンバレーは「市」? 日経 中山淳史氏に問う

5日の日本経済新聞朝刊オピニオン面に載った「Deep Insight~米中ITの『二都物語』」という記事で気になる表現があった。記事で言う「二都」とは「深圳」と「シリコンバレー」で、これは分かる。しかし「両市」となるとどうか。「シリコンバレー市」という都市があるのだろうか。以下の内容で問い合わせを送ってみた。
大分マリーンパレス水族館「うみたまご」(大分市)
           ※写真と本文は無関係です

【日経への問い合わせ】

日本経済新聞社コメンテーター 中山淳史様

5日朝刊の「Deep Insight~米中ITの『二都物語』」という記事についてお尋ねします。記事には以下の記述があります。

起業家だけではない。聞けば、電気自動車のテスラはすでにエレクトロニクス系の部品を128種類も深圳に生産委託し、アップルは今年、大規模な研究開発センターを同市に置こうとしている。一方、DJIなど深圳の主要企業もシリコンバレーにソフトウエア開発や情報収集の拠点を相次ぎ設けている。同市で研究活動をしている伊藤亜聖・東大准教授は『最近の両市のヒト、モノ、カネの行き来は目を見張る』と話す

問題としたいのは「両市」との表現です。ここでは「深圳」と「シリコンバレー」を指すのは明白です。しかし、シリコンバレーは「」ではありません。「アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置しているサンタクララバレーおよびその周辺地域の俗称」(はてなキーワード)であり、単独の「」の一部でもありません。

伊藤亜聖・東大准教授のコメントとは言え、「深圳」と「シリコンバレー」を「両市」と表現するのは誤りではありませんか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

御紙では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。クオリティージャーナリズムを標榜する新聞社として掲げた旗に恥じぬ行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

筆者の中山氏が「深圳」と「シリコンバレー」をともに「」と捉えている場合、「同市で研究活動をしている伊藤亜聖・東大准教授」のくだりの「同市」は「シリコンバレー」になってしまう。しかし、実際は「同市深圳」のようだ。

中山氏が「シリコンバレーは市ではない。ある地域の俗称だ」と認識しているのであれば、「両市」との表現をコメントで使うべきではない。


※今回取り上げた記事「Deep Insight~米中ITの『二都物語』
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180105&ng=DGKKZO25318780U8A100C1TCR000


※記事の評価はD(問題あり)。中山淳史氏への評価もDを据え置く。中山氏については以下の投稿も参照してほしい。

日経「企業統治の意志問う」で中山淳史編集委員に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/07/blog-post_39.html

日経 中山淳史編集委員は「賃加工」を理解してない?(1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_8.html

日経 中山淳史編集委員は「賃加工」を理解してない?(2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_87.html

三菱自動車を論じる日経 中山淳史編集委員の限界
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/05/blog-post_24.html

「増税再延期を問う」でも問題多い日経 中山淳史編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/06/blog-post_4.html

「内向く世界」をほぼ論じない日経 中山淳史編集委員
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/blog-post_27.html

日経 中山淳史編集委員「トランプの米国(4)」に問題あり
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/01/blog-post_24.html

ファイザーの研究開発費は「1兆円」? 日経 中山淳史氏に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/08/blog-post_16.html

「統治不全」が苦しい日経 中山淳史氏「東芝解体~迷走の果て」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html

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