週刊東洋経済の田島靖久副編集長は「期待リターン」をどう理解しているのだろうか。1月9日号の特集「富裕層㊙マネー学」の中の「ハイリスク商品に果敢に挑戦~『肉食系富裕層』の実態」という記事には「主な金融商品の平均的なリターンとリスク」という表が付いている。
大阪市中之島 |
引っかかるのが「株式投資」の「期待リターン」が「~100%」となっていることだ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のホームページで「期待リターン」を見ると、国内株式が5%台、外国株式が7%台。ここに違和感はない。ざっくり言えば5~8%ぐらいが「株式投資」の「期待リターン」だろう。しかし田島副編集長は「~100%」と理解している。
5~8%も「~100%」の中に入ってはいる。日本人男性の平均身長を「~10メートル」と説明しても完全な間違いではないが、有用な情報とは言い難い。
GPIFのホームページで年次リターンの推移を見ると国内株式も外国株式も過去30年は60%を超えていない。なのに「平均的なリターン」を「~100%」と表すのは解せない。
しかも「投資信託」に関しては「期待リターン」を「~15%」としている。「株式投資」の「期待リターン」が「~100%」ならば、株式に投資する「投資信託」の「期待リターン」も「~100%」に近いものになるはずだ。なのに「期待リターン」の最大値が、考えられないほど下がっている。
「個別株に投資すれば1年で倍も夢じゃない。投信なら分散投資になるんで15%ぐらいがいいとこかな」といった田島副編集長の個人的な感覚でこの表を作ったのではないか。しかし「期待リターン」とは、そういうものではない。
投資に関して田島副編集長の言うことを信じるな。この結論でいいだろう。
※今回取り上げた記事「ハイリスク商品に果敢に挑戦~『肉食系富裕層』の実態」
※記事の評価はD(問題あり)。田島靖久副編集長への評価はF(根本的な欠陥あり)を据え置く。田島副編集長に関しては以下の投稿も参照してほしい。
度が過ぎる田島靖久ダイヤモンド副編集長の「鈴木崇拝」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2015/10/blog-post.html
週刊ダイヤモンド「イトーヨーカ堂 改革の迷走」の説明に難ありhttps://kagehidehiko.blogspot.com/2019/07/blog-post.html
新聞社、出版社サイトへの連載など、以前から参考にさせていただいています。当方の勘違いでなければ出版社名が間違っています。鋭いコメントにこれからも期待しています
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