26日の日本経済新聞朝刊1面に載った「三井住友トラスト社長に高倉氏~信託銀は大山氏」という記事は2つの意味で引っかかった。全文は以下の通り。
両筑橋の架け替え工事現場 |
【日経の記事】
三井住友トラスト・ホールディングス(TH)は25日、高倉透執行役員(58)を社長に起用する人事の最終調整に入った。傘下の三井住友信託銀行社長には同行の大山一也取締役(55)を充てる方向だ。4月に発足から10年となるのを機に経営体制の若返りをはかる。初めて両トップが旧住友信託銀行出身者になる。
25日に取締役人事を検討する指名委員会を開き、両氏を社長に推す案をまとめた。トラストの大久保哲夫社長(64)と信託銀の橋本勝社長(63)の処遇は今後詰める。
◎発表待ちでいいのに…
社長人事は基本的に発表待ちでいい。「三井住友トラスト・ホールディングス」のトップ交代に読者はそんなに関心があるのか。「最終調整に入った」という生煮えの段階ならば、さらに要らない。
発表前に書くことに何の意義があるのか。社会を良くする効果は当然ない。読者の多くが「生煮えでもいいから三井住友トラスト・ホールディングスの社長交代の情報が欲しい」と望んでいるのか。取材させられる記者がかわいそうになる。
しかし、この手の取材経験をした記者で出世した人間は、自分がやってきたことを否定したくないから「社長人事は抜くべき」という考えを押し付けるタイプになりやすい。なので無駄な仕事がなかなか減らない。
付け加えると、なぜ「最終調整に入った」と逃げを打っているのか疑問が残った。「25日に取締役人事を検討する指名委員会を開き、両氏を社長に推す案をまとめた」のならば、もう「調整」すべきことはないと思える。「指名委員会」は「株主総会に提出する取締役の選任・解任議案の決定」に関する権限を持っているはずだ。後は誰がどこで「最終調整」するのか。そこは気になる。
※今回取り上げた記事「三井住友トラスト社長に高倉氏~信託銀は大山氏」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210126&ng=DGKKZO68506670W1A120C2MM8000
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