2019年3月27日水曜日

「中国への進出は最後」のはずだが…東洋経済「ドンキの正体」

週刊東洋経済3月30日号の特集「ドンキの正体~次代の流通王か永遠の異端児か」の中で「パン・パシフィック・インターナショナル ホールディングス」の社長は「中国への進出はいちばん最後」と述べている。一方で、特集に付けたグラフに「今夏には香港進出も検討」という説明が出てくる。そこで、以下の内容で問い合わせを送った。
玄海町次世代エネルギーパーク あすぴあ(佐賀県)
           ※写真と本文は無関係です

【東洋経済新報社への問い合わせ】

週刊東洋経済 編集部 編集長 山田俊浩様 真城愛弓様 石阪友貴様

3月30日号の特集「ドンキの正体~次代の流通王か永遠の異端児か」についてお尋ねします。「INTERVIEW パン・パシフィック・インターナショナル ホールディングス 社長兼CEO 大原孝治~西友を買うより西武に関心がある」という記事の中で、「大原孝治」氏は海外展開について「チャンスがあるところに出店する。検討しているのは台湾、マレーシア、フィリピンあたり。中国への進出はいちばん最後。法改正が頻繁に実施される国には進出しづらい」と述べています。

一方、36ページでは「今夏には香港進出も検討」というタイトルを付けて「グループ海外店舗数」をグラフにしています。「中国への進出はいちばん最後」であれば「今夏には香港進出も検討」とはならないはずです。言うまでもなく「香港」は中国の一部です。中国が「法改正が頻繁に実施される国」であれば「香港」にもその影響は及びます。

この矛盾はどう理解すれば良いのでしょうか。「大原孝治」氏の発言を正確に伝えていないのかもしれません。発言が記事の通りで「今夏には香港進出も検討」も正しい場合、「大原孝治」氏の発言に事実誤認があるはずです。どこかに誤りがあると考えないと、説明が付きません。記事の説明に問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

整合性の問題は他にもあります。インタビュー記事の中で「ドミナント(集中出店)戦略も採用していないので、ほかのチェーンストアのように自社競合を起こすこともない」と「大原孝治」氏は言い切っています。しかし37ページの「ドンキ10の非常識」という図では「10 自社店舗もライバル」となっています。「ライバルではあるが競合はしていない」との弁明も不可能ではありませんが、やはり「競合」はあると見るべきでしょう。

例えば「ドンキ」は新宿区だけで6店舗あります。新宿東南口店と新宿歌舞伎町店は歩いて数分の距離です。それで「自社競合を起こすこともない」とは思えません。この辺りは取材時にさらに突っ込んで質問するといった対応が必要だったのではありませんか。

問い合わせは以上です。回答をお願いします。御誌では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

あくまで推測だが「今夏には香港進出も検討」も「中国への進出はいちばん最後」も正しいのだろう。社長の発言は「中国(本土)への進出はいちばん最後」との趣旨ではないか。だとしたら記事中で担当者らが補う必要がある。


追記)結局、回答はなかった。


※今回取り上げた特集「ドンキの正体~次代の流通王か永遠の異端児か
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/20228


※当該記事を含め特集全体の評価はC(平均的)。インタビュー記事を書いた石阪友貴記者への評価は暫定でC(平均的)とする。真城愛弓記者への評価は暫定D(問題あり)から暫定Cに引き上げる。今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

大原社長は創業時からいた?東洋経済「ドンキの正体」に疑問
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/03/blog-post_26.html


※真城記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。

「瀬戸際に立つアパレル店舗」を描けていない東洋経済の記事
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/01/blog-post_9.html

「断トツ」が3施設? 14位でも「三大SC」? 東洋経済に問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/14sc.html

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