2018年5月31日木曜日

日経が握り潰した「ゴルフ会員権」のグラフの誤り

30日の日本経済新聞夕刊1面3版に、誤りと思えるグラフが載っていた。そして、最終版(4版)では全く別のデータを用いたグラフに差し替えて問題を解消していた。だとすると、3版のグラフは何だったのか。30日の夕方に問い合わせを送ったが、丸1日が経過しても回答はないし、31日の夕刊3版に訂正記事も出ていない。
島原武家屋敷街(長崎県島原市)※写真と本文は無関係です

1面の最終版でグラフを全く別のものに変えたのだから、編集局の幹部も問題を知っているはずだ。なのに、訂正も出さず問い合わせへの回答もしないとは…。読者軽視の姿勢をここまで貫けるのは、悪い意味で凄い。

30日に送った問い合わせの内容は以下の通り。

【日経への問い合わせ】

30日夕刊1面(3版)の「ゴルフ会員権『東高西低』 接待需要、価格差広がる」という記事についてお尋ねします。記事には「関東と関西の価格差は100万円近い」との説明文を付けたグラフが載っています。

関東と関西の価格差は100万円近い」と言いながら中部・関西の相場だけでグラフを作成しているのも論外ですが、そもそも記事と話が全く合っていません。「関西ゴルフ会員権取引業協同組合(大阪市)によると、関西地区の4月の平均価格は前年比横ばいの83万円」と書いているのに、グラフでは4月は約100万円で前年同月より20万円ほど値上がりしています。

中部に関しても「仲介大手の桜ゴルフ(東京・中央)によれば4月の平均価格は前年比0.5%安い70万8300円だった」と記しているのに、グラフでは4月が約110万円で前年同月に比べ17万~18万円の上昇に見えます。グラフの相場については「仲介会社や業界団体への取材を基に作成」と注記があるだけなので、全く別のところからデータを持ってきた可能性も残りますが、その場合でも記事中のデータとの乖離が大きすぎます。

また、最終版に当たる4版では、関東の相場も加えた全く別のグラフに差し替わっていて、中部・関西の相場は記事中の説明と整合するものになっています。3版のグラフは誤りだと考えてよいのでしょうか。正しいという可能性はゼロに近そうです。誤りであれば、31日付の夕刊1面に訂正記事を掲載してください。

御紙では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。今回の間違いは相当なものだと思えますが、それでも読者からの指摘に無視を貫きますか。

自分たちは読者への説明責任をしっかり果たせているのか。日本を代表する経済メディアとして、間違い指摘にどう対応すべきなのか。改めて、じっくり考えてください。答えは明らかなはずです。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた記事「ゴルフ会員権『東高西低』 接待需要、価格差広がる
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180530&ng=DGKKZO31141860Q8A530C1MM0000


※3版の記事の評価はE(大いに問題あり)。

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