2016年9月30日金曜日

「購入」と「売却」を間違えた?日経ビジネス「時事深層」

あれこれ検討してみたが、「売却」と「購入」を間違えたとの結論にしか辿り着けなかった。日経ビジネス10月3日号「時事深層 INSIDE STORY~日銀の新緩和策に市場は冷淡 進む財務悪化、単年度赤字も」という記事には、「(日銀は)元本以上の高値で国債を購入することはできない」との説明が出てくる。これが誤りなのかどうか考えてみたい。
佐賀大学(佐賀市) ※写真と本文は無関係です

記事の当該部分と日経BP社への問い合わせは以下の通り。

ちなみに記事の担当は田村賢司主任編集委員、武田健太郎記者、安藤毅編集委員の3人。問題の多い書き手と認定している田村主任編集委員の名前があるのも引っかかる。

【日経ビジネスの記事】

日銀は今、金融調整になる国債の償還前売却は実施していない。つまり元本以上の高値で国債を購入することはできない。初めから損を確定させたような取引なのである。その損失分を、国債が償還されるまでの期間で毎期、会計上は償却費を計上していく。それが、前期は約8000億円に上り、本来なら2兆円以上得られたはずの利息収入が大幅に目減りした。

【日経BP社への問い合わせ】

日経ビジネス10月3日号「時事深層 INSIDE STORY~日銀の新緩和策に市場は冷淡 進む財務悪化、単年度赤字も」という記事についてお尋ねします。記事には「日銀は今、金融調整になる国債の償還前売却は実施していない。つまり元本以上の高値で国債を購入することはできない」との記述があります。「国債を購入」は「国債を売却」の誤りではありませんか。そうでないと、文脈から考えて辻褄が合いません。

「元本」を「投資した金額」と考えると、「元本=買値」となるので、元本(日銀が買う金額)を上回る高値で購入できないのは自明です。わざわざ説明する話ではないでしょう。記事では言う「元本以上」とは「国債の額面以上」との意味だと思えます。その場合、日銀は「元本以上の高値で国債を購入」し続けているので、事実と整合しません。

記事では、「初めから損を確定させたような取引」で生じる日銀の損失(償却費)について「前期は約8000億円」と説明しています。これは日銀が「元本以上の高値で国債を購入すること」から生じる損失ではありませんか。

記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。誤りの場合、次号での訂正記事の掲載もお願いします。

御誌では、読者からの間違い指摘を握りつぶし、ミスを認めずに闇へと葬り去る事案が後を絶ちません。読者から購読料を得ているメディアとして、責任ある対応を心がけてください。

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日経ビジネス編集部の対応は「無視」だろう。その場合、誤りと断定するしかない。「編集部の何人もの人間が目を通しているはずなのに、こんな単純なミスするかな。こちらが何か見落としているのかも」という思いも残るが…。


※この記事には他にも気になる点がある。それらについては「『日銀の新緩和策』分析に難あり 日経ビジネス『時事深層』」(http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/10/blog-post.html)で述べる。記事や筆者らへの評価もそこで決めたい。

追記)結局、回答はなかった。10月10日号に訂正記事の掲載は確認できなかった。

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