2016年2月16日火曜日

日経 北沢千秋編集委員「一目均衡」での奇妙な解説(1)

アクティブファンドが市場平均に勝ちやすいのは上昇相場だろうか、それとも下落相場だろうか。常識的に考えれば「どちらもも同じ」だろう。しかし、日本経済新聞の北沢千秋編集委員によると下落相場の方らしい。この見方は正しいのだろうか。16日の日経朝刊投資情報面に載った「一目均衡~パッシブ運用者の責任」という記事の中身を見てみよう。

【日経の記事】
福岡県久留米市の風景 ※写真と本文は無関係です


これからがアクティブ(積極運用型)ファンドの運用者は腕の見せどころ」。年初からの暴落相場をみながら、ひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人社長は腕をぶしている。

2012年末からのアベノミクス相場のような市場全体を底上げする上昇相場では、アクティブファンドが株価指数に勝つのは容易ではない。銘柄選別の効果が薄れるからで、真のアクティブ運用者は下げ相場やボックス相場でこそ実力を発揮しやすいという

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市場全体を底上げする上昇相場では、アクティブファンドが株価指数に勝つのは容易ではない」のは確かだ。例えば、全ての銘柄が年間で10%上昇する市場では、どの銘柄をどう組み合わせてもファンドの運用成績は市場平均並みになってしまう(信託報酬などのコストは考慮していない)。しかし、それは全ての銘柄が年間10%下落する市場でも、全ての銘柄の株価が全く動かない市場でも同じだ。「下げ相場やボックス相場」では上げ相場に比べて銘柄ごとの動きが異なりやすいというなら話は別だが、そういう説明は記事中に出てこない。

百歩譲って「真のアクティブ運用者は下げ相場やボックス相場でこそ実力を発揮しやすい」としよう。しかし、だからと言って「これからがアクティブファンドの運用者は腕の見せどころ」と考えるのは早計だ。年初からここまでは「暴落相場」だったかもしれないが、「これから」が「下げ相場やボックス相場」になるかどうかは分からない。ひょっとすると、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長や北沢編集委員には未来が見えているのかもしれない。だとしたら、その点に触れるべきだ。

この記事には他にも指摘すべき点がある。それらは(2)で述べる。また、以前に投資信託の信託報酬について不正確な記事を書いていた藤野氏のコメントを使っているのも気になる。藤野氏については「誤りも確信犯? 日経『なるほど投資講座』の藤野英人氏」を参照してほしい。


※(2)へ続く。

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