2016年2月3日水曜日

驚異的な完成度の低さ 日経「ドバイ原油、3週ぶり高値」(2)

2日の日本経済新聞マーケット商品面に出ていた「ドバイ原油、3週ぶり高値~1月下旬比、3割上昇 減産観測、投機筋買い戻し」という記事の問題点をさらに指摘していく。

【日経の記事】
福岡市総合図書館(福岡市早良区) ※写真と本文は無関係です

ドバイ原油は1日午後にサウジアラビアやロシアなど産油国の減産観測や内外の株高などを受け、4月渡しが前週末の3月渡しに比べ0.20ドル高い30.90ドルに上昇した。米国産標準油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)も1月下旬に35ドルに迫る場面もあった。ただいずれも年初に比べるとまだ安い水準にある。

コンピューターで自動取引する商品投資顧問(CTA)など投機マネーの動きに変化の兆しが出ている。ニューヨーク市場では1月26日時点で投機筋によるWTIの買い持ち高が50万枚(1枚千バレル)を超え、2015年5月以来の高い水準となった。買い戻しの背景にあるのは産油国の減産と、米国の追加利上げ先送りという2つの思惑だ。

ロシアのノワク・エネルギー相が1月末、石油輸出国機構(OPEC)との協調について「協議する可能性がある」と述べた。ラブロフ外相も中東産油国を訪問すると伝わり、産油国が減産に向けた協議に乗り出すとの観測が広がった。

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◎「変化の兆しが出ている」?

投機マネーの動きに変化の兆しが出ている」「1月26日時点で投機筋によるWTIの買い持ち高が50万枚(1枚千バレル)を超え、2015年5月以来の高い水準となった」と書いてあると、1月末になって投機筋の買い建玉が増加に転じたのかと思ってしまう。調べてみると、昨年末以降、投機筋の買い建玉は基本的に増加傾向だ。これで「変化の兆しが出ている」と解説するのは無理がある。


◎時期が合わない

記事の説明に従うと「ロシアのノワク・エネルギー相が1月末にOPECとの協議に言及→投機筋の買いが入る→1月26日時点での投機筋の買い建玉が15年5月以来の高水準に」という流れで理解したくなる。しかしノワク・エネルギー相が「協議する可能性がある」と述べたのは1月28日のようだ。だとすると26日までの買い建玉増加とは関係ない。


最後に、舌足らずな言葉の使い方にも注文を付けておこう。

【日経の記事】

・米国では15年10~12月の国内総生産(GDP)が減速

・米国でシェールオイルの生産調整は遅れ、OPECがシェールを苦境に追い込むというこれまでの基本戦略を転換する可能性は低い。

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どちらも言いたいことは分かる。しかし、引っかかる書き方ではある。気にならない読者もいるだろうが「GDPの伸びが減速」とした方が自然だろう。「シェール」についても「OPECがシェール関連企業を苦境に追い込む」などとした方が良いと思える。


※記事の評価はE(大いに問題あり)とする。これほど完成度の低い記事をなぜ世に送り出してしまったのか、担当の記者・デスクはよく考えてほしい。

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