2016年10月6日木曜日

どの程度の「急上昇」? 日経「欧州国債、利回り急上昇」

「読者への嫌がらせでもしているつもりか」と言いたくなる記事が5日の日本経済新聞夕刊総合面に出ていた。「欧州国債、利回り急上昇 中銀の量的緩和縮小 観測」という見出しに釣られて記事を読んでみたが、どの程度の「急上昇」なのか具体的な数字がない。これでは辛い。
柳川の川下り(福岡県柳川市) ※写真と本文は無関係です

記事の全文は以下の通り。

【日経の記事】

【ロンドン=黄田和宏】4日の欧州債券市場で、各国の国債利回りが幅広い年限で急上昇(価格は下落)した。ユーロ圏の長期金利の指標となるドイツの10年債利回りは、取引終了にかけて一時マイナス0.04%台に大きくマイナス幅を縮小。スペイン10年債は2週間ぶりに1%台に乗せた。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策の規模を縮小するとの観測を受けて、債券売りが広がった。

米通信社ブルームバーグがECB関係者の話として、「この1カ月間に、政策当局者の間で資産購入の規模を縮小する必要が出てくるとの非公式の総意が形成された」と報じたのがきっかけだ。報道によれば、購入額を月額100億ユーロ減らす案が浮上しているという。

外国為替市場では、金利上昇を受けてユーロに買いが優勢となった。対ドルでは一時1ユーロ=1.12ドル台半ばと、報道直前の1.11ドル半ばから上昇に転じた。対円では一時1ユーロ=115円台半ばと、9月中旬以来の円安・ユーロ高水準をつけた。

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例えば「日経平均が大幅高」との見出しが付いている記事で、どの程度の上昇だったのかが抜けていたらどう感じるだろうか。今回の記事では「4日の欧州債券市場で、各国の国債利回りが幅広い年限で急上昇(価格は下落)した」と伝えているのだから、4日の「各国の国債利回り」が前日に比べてどの程度の「急上昇」だったのかは何が何でも入れるべきだ。

しかし「ドイツの10年債利回りは、取引終了にかけて一時マイナス0.04%台に大きくマイナス幅を縮小。スペイン10年債は2週間ぶりに1%台に乗せた」と書いているだけだ。「黄田記者はあえて上昇幅に触れなかったのかな?」と思わせるような作りになっている。為替市場の話を入れる余裕があるのだから「紙面に余裕がなくて…」との弁明も難しい。

現状では欧州の国債利回りの多くがゼロに近い水準なので、わずかな幅の動きでも率で見れば「急上昇」になってしまう。そういう意味でも、どの程度の「利回り急上昇」なのかは欲しい。


※記事の評価はD(問題あり)。暫定でDとしていた黄田和宏記者への評価はDで確定とする。黄田記者に関しては「日経 黄田和宏記者『英国債利回り、一部マイナス』の矛盾」(http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/08/blog-post_13.html)も参照してほしい。

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