2016年10月19日水曜日

1割出資でもインドネシアのネット通販「参入」?日経の偽り

三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する」と聞いたら、どうイメージするだろうか。「三井物産が経営権を持つ子会社を通じてインドネシアでネット通販を始めるのだろう」と思うのが普通ではないか。しかし、19日の日本経済新聞朝刊企業面に載った「三井物産、インドネシアで通販 中間層に的 現地企業に出資」を読むと「参入」とは言い難いようだ。
青の洞門(大分県中津市) ※写真と本文は無関係です

記事の前半部分を見てみよう。

【日経の記事】

三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する。大手財閥リッポー・グループで通販サイト「マタハリモール」を運営する企業に出資する。現地のネット通販市場は急拡大する見通し。人材を派遣して内部統制の強化や商品調達を支援する。日本企業の商品の浸透にもつなげる。全国に百貨店やスーパーを展開し、ブランド力を持つ財閥と組み、中間層の消費者を開拓する。

11月に数十億円を投じ、サイトを運営するグローバル・イーコマース・インドネシア(GEI)の株式の約1割を取得する。マタハリモールは15年9月にサービスを始めた。後発だが国内150店を展開するグループの百貨店「マタハリ」ブランドを掲げ、認知度を生かして消費者向けネット通販で上位に入る

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三井物産はインドネシアの大手財閥系のネット通販会社に約1割の出資をするだけのようだ。これで「三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する」と言われても困る。三井物産から社長を送り込んで、事業内容も同社主導で大幅に見直すというならば、1割出資で「参入」を使っても許容範囲かもしれない。しかし、記事には「人材を派遣して内部統制の強化や商品調達を支援する」としか書いていない。これだと市場への「参入」というより「大手財閥リッポー・グループ」との提携だ。

ただ、この記事では日経整理部の良心が感じられる。記事の書き出しが「三井物産はインドネシアでインターネット通販に参入する」となっていれば、普通は見出しにも「参入」を使う。だが「三井物産、インドネシアで通販 中間層に的 現地企業に出資」と「参入」を避けた上で「現地企業に出資」と入れている。「この内容で『参入』は無理がある」と整理担当者が判断したのではないか。

ついでに言うと「認知度を生かして消費者向けネット通販で上位に入る」という漠然とした書き方は感心しない。具体的な順位が無理ならば、せめて「10位以内に入る」ぐらいの情報は入れたい。「『上位』だとは分かってるが、それが10位以内なのか50位以内なのか分からない」といった状況ならば、「上位に入る」と記事に盛り込むのは見送るべきだ。


※記事の評価はD(問題あり)。

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