2016年10月4日火曜日

「過ちて改めざる」東洋経済の西村豪太新編集長への手紙

週刊東洋経済の編集長が10月から西村豪太氏に代わったらしい。前任の高橋由里氏がどこへ行ってしまったのか分からないが、2人とも記事中のミスの握りつぶしをためらわないタイプなので、良い方向へは行きそうもない。それでも、別紙で送られてきた「新編集長就任のご挨拶~日本と世界の難題を俯瞰し、皆様と突破口を探します」を受ける形で、お祝いとお願いのメールを東洋経済編集部へ送っておいた。
亀山八幡宮(山口県下関市) ※写真と本文は無関係です

内容は以下の通り。

◆西村豪太新編集長への手紙◆

週刊東洋経済 編集長 西村豪太様

10月8日号と一緒に「新編集長就任のご挨拶」というお知らせが送られてきたので、読ませていただきました。編集長への就任おめでとうございます。挨拶文の中で西村様はこう述べています。「私たちは1895年の創刊以来、『より突っ込んだ情報』を求める読者に支えられてきました。そうした目利きに選ばれ続けるために、読者の皆様のニーズを満たすべく努力を重ねています」。これを信じて、西村様に一読者としてお願いがあります。

読者からの間違い指摘を無視したり、記事中の誤りを握りつぶしたりといった読者への背信行為をやめていただけませんか。西村様に関しては、明らかな誤りと思える2件の問い合わせをしていますが、完全に無視されたままです。これで「読者の皆様のニーズを満たすべく努力を重ねて」いると言えるでしょうか。メディアとしての最低限の説明責任さえ果たしていません。

「ますます混沌を深める現代を読み解くために週刊東洋経済の定期購読を、自信を持ってお勧めいたします」とも西村様は訴えています。「記事は間違いだらけじゃないか」などと文句を付けるつもりはありません。ただ、誤りがあれば素直に認めて反省し、次回以降に生かしてほしいのです。「誤りではない」との判断ならば、根拠を示して回答すれば済む話です。それができずに逃げ回っているのに、「定期購読を、自信を持ってお勧め」するのは不遜が過ぎます。

10月8日号の「編集部から」では「失敗の経験だけは豊富ですので、これを頼りにタイムリーな雑誌作りに邁進します。ご愛読のほど、よろしくお願いします」とも西村様は書いています。「失敗の経験」が多くても、失敗を失敗と認めずに、闇から闇へと葬り去っていては「タイムリーな雑誌作り」に生かすことなど夢のまた夢です。西村様はプライドが高すぎるのでしょう。優れた記事を生み出す上で、余計なプライドは百害あって一利なしです。

「過って改むるに憚ることなかれ」--。編集長に就任された西村様に私からこの言葉を贈ります。西村様が無視したままの問い合わせも改めて送っておきます。新編集長就任の挨拶文には「皆様と突破口を探します」との見出しが付いていました。まずは、読者への背信行為をやめられない今の状況を「突破」してみませんか。


【問い合わせ~その1(2015年11月)】

40ページの記事「新オイルショックの現実味」には「仮に米中軍の衝突でマラッカ海峡経由のシーレーンが遮断されれば、原油の最大の輸入国である中国への供給不安も顕在化する。そうなれば世界の石油市場は売り手市場へ一変するだろう」との解説があります。しかし、「中国への原油輸出の途絶は供給過剰を招く要因になる」と考えるのが自然です。つまり、買い手市場になりやすくなります。もちろん米中の軍事衝突自体は原油相場の上昇要因でしょうが、「中国への供給不安の顕在化→一気に売り手市場になる」という経路での変化は考えにくいと思えます。

記事の説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題がないとすれば、その根拠も併せて教えてください。


【問い合わせ~その2(2016年5月)】

5月28日号の特集「セブン再出発」についてお尋ねします。58ページの記事では、イトーヨーカ堂の不採算店舗の閉鎖が進まない理由として「これまでは鈴木会長がリストラを抑えてきたという見方もある。鈴木会長はヨーカ堂幹部に対し、『HDが増益できる範囲でないと特損を出してはいけない』と指示してきたようだ。店舗を一気に閉鎖すれば、数百億円の巨額特損が発生する」と説明されています。

セブン&アイHDが増益を続けてきたのならば分かりますが、純利益で見ると2016年2月期まで2期連続の減益です。特損計上の回避によって増益を維持してきたとは考えられません。

49ページで「鈴木会長は退任会見で『この数年、連続最高益でやってきた』と実績を誇ったが、それを維持するためにリストラへの踏み込みが不十分だった懸念がある」と書いているのも、ヨーカ堂の不採算店舗閉鎖に関連したものです。ただ、ここで言うHDの「連続最高益」は営業利益ベースではありませんか。だとすると、リストラで巨額の特損を計上しても最高益は維持できます。

記事の説明には問題があると考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その理由も併せて教えてください。

付け加えると「増益できる範囲」との表現には違和感があります。「増益する」「減益できない」といった言い方はあまりしません。「増益になる範囲」などした方が自然ではないでしょうか。

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※問い合わせへの無視が続く前提で西村豪太編集長への評価はF(根本的な欠陥あり)を維持する。この評価については「道を踏み外した東洋経済 西村豪太編集長代理へ贈る言葉」(http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/12/blog-post_4.html)を参照してほしい。

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