2015年6月26日金曜日

日経「働きかた Next~女性が創る」に感じた疑問(1)

日経朝刊1面の連載「働きかた Next~女性が創る」で26日付の見出しは「フィリピンは『先進国』 家事、他人とシェア」。記事の出来はそれほど悪くないが、気になる点がいくつかあった。列挙してみたい。

デュルブイ(ベルギー)のフォワール広場
                ※写真と本文は無関係です
◎メイドとハウスキーパー

「メイド」と「ハウスキーパー」は完全に同義ではないようだが、基本的には「お手伝いさん」や「家政婦」を指すようだ。記事では、フィリピンで働くフィリピン人のお手伝いさんを「メイド」と称し、日本で働くフィリピン人のお手伝いさんを「ハウスキーパー」と呼んでいる。実際の記事を見てみよう。


【日経の記事】

ホテルとの打ち合わせ、英会話学校とのイベント企画、社内ミーティング。各地をめまぐるしく動き、帰宅は午後8時をすぎることも多い。仕事に集中できるのは2人のフィリピン人メイドが子どもの世話や家事をしてくれるためだ。

 費用は月に3万円程度かかるが「ここでは働く女性がメイドを使うのは一般的」。世界経済フォーラムが調べた女性管理職比率は日本は11%なのにフィリピンは48%。世界トップクラスの原動力は家事の代行や育児支援サービスにある。

(中略)

外国人に家事を委ねる機運は国内でも出てきている。医療シンクタンクに勤める土井甲子(31)は6月初旬の休日、家事代行マッチングサイト「タスカジ」を使い、フィリピン人ハウスキーパーに自宅の掃除を頼んだ。

 「次は何をしましょうか」。夫が日本人で永住権を持つロドラ(39)は日本語で土井の指示を仰ぎ、居間や風呂場を掃除していく。その間、2歳の長男と遊んだ土井は「子どもとたくさん触れあえて、心に余裕ができた」。日本人キーパーも選べたが「子どもが英語に触れる良い機会」とあえて外国人にしたという。


記事を読んでも、なぜ「メイド」と「ハウスキーパー」を使い分けているのか分からない。仕事の中身にそれほど大きな違いはなさそうだ。深い意味がないのならば、用語は統一した方がいい。意図的に使い分けているのならば、なぜ使い分けているのか読者に伝わるよう工夫すべきだろう。

ついでに言うと、「『子どもが英語に触れる良い機会』とあえて外国人にした」のであれば、フィリピン人ハウスキーパーのロドラとは日本語で話さない方がよいのに…とは思ってしまう。



◎不明確な修飾

記事を書くときは、修飾・被修飾の関係が明確になるよう気を配ってほしい。今回の記事には「夫が日本人で永住権を持つロドラ(39)は日本語で土井の指示を仰ぎ、居間や風呂場を掃除していく」とのくだりがある。この書き方では「永住権を持つ」のが「夫」なのか「ロドラ」なのか断定できない。筆者の意図としては、永住権を持つのは「ロドラ」だろう。だとすれば「日本人男性と結婚し永住権を持つロドラ」などとすれば問題は解消する。今回の場合、読者に誤解を与えるリスクはほぼないものの、記事を書く上での基本として押さえておいてほしい。

※(2)でさらに指摘を続ける。

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