2015年6月19日金曜日

振れ幅 大きい? 日経「長期金利、半月ぶり低水準」(1)

内輪の世界では違和感がないのだろうが、外から見ると奇妙に思えることは多い。19日の日経朝刊に出ていた「長期金利、半月ぶり低水準」(マーケット総合2面)という記事では、長期金利について「引き続き振れ幅の大きい展開となる可能性がある」と書いている。では、これまでの展開はそんなに「振れ幅の大きい」ものだったのだろうか。まず記事を見てみよう。



アムステルダムの運河クルーズ乗り場   ※写真と本文は無関係です
【日経の記事】

長期金利が半月ぶりの低水準に下がった。18日の40年物国債の入札が「順調」な結果となり、債券需給に対する不安感が後退した。6月に入ってから長期金利と株式相場の連動性が強まっており、この日は日経平均株価が終値で1カ月ぶりに2万円を割り込んだことも長期金利の押し下げ圧力となった。ただ、引き続き振れ幅の大きい展開となる可能性がある

18日の債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは前日比0.045%低い(債券価格は高い)0.435%まで下げた。2日以来の低さだ。長期金利は直近のピークから0.1%以上下げたことになる。


記事から「これまでの展開」を見てみよう。まず「長期金利は直近のピークから0.1%以上下げた」と書いてある。記事中のグラフで見ると、直近のピークは約1週間前。その時の0.5%強から「0.435%まで下げた」わけだ。1週間で0.1%強の金利低下は、一般的な感覚で言えば小動きだろう。グラフでは5月中頃からの長期金利を使っているが、やはり0.4~0.5%の幅を若干超える範囲での動き。これを「振れ幅の大きい展開」と言われても納得しかねる。

例えば、0.1%から一気に1%前後まで行けば、「振れ幅が大きい」と言うのも分かる。債券市場関係者の間では「最近、日本の長期金利も振れ幅が大きいね」といった会話が交わされているかもしれない。しかし、記者は読者に伝える時に、一般の人が納得できる書き方を選んでほしい。仮に、わずか0.1%の中での動きでも「振れ幅が大きい」と確信しているのならば、それを読者が納得できるように書くべきだ。

記事には他にも気になる点があるので、(2)で指摘を続ける。

(つづく)

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