2015年6月24日水曜日

日経 太田泰彦編集委員 F評価の理由

日経ビジネスの大西康之編集委員、日経産業新聞の藤賀三雄編集長とともに、日経関係でF評価としているのが日経の太田泰彦編集委員だ。そう判断する基となった2011年11月21日の記事「日本のエンゲル係数なぜ高い」の問題部分を見てみよう。


【日経の記事】


ケルン(ドイツ)の大聖堂 ※写真と本文は無関係
先進国では忘れられがちな経済指標にエンゲル係数がある。家計の支出のうち、食費が占める割合のことだ。人が生きるために必要な食料の量は、収入によらず変わらないから、数字が大きいほど生活の水準が低いとされる。

一般に途上国ではエンゲル係数が高く、経済発展に伴って国民所得が上がるにつれて低下する。国際労働機関(ILO)によれば、ミャンマーは72.7%、インドは43.6%。食費が生活費の大半を占める国は世界にまだ多い。

日本も終戦直後(1946年)は66.7%と高かった。復興期と高度成長期は一貫して下がり続け、80年には28%になった。

ところが、ここ10年間は約23%にピタリと張りついて動かない。バブル崩壊後の家計の切り詰めで消費支出(2人以上世帯)も伸び悩み、今年も9月まで7カ月連続で前年同月比マイナスとはいえ、他の先進国と比べるとエンゲル係数が高止まりしていることが分かる。米国7.2%、ドイツ6.9%、英国11.4%など、主要国は20%以下がほとんどだ。


エンゲル係数に関しては、分子と分母で何を対象に含めるかによって数値がかなり変わってくる。基準を均した比較では、先進国の中で日本のエンゲル係数は平均的との見方が多いようだ。太田泰彦編集委員は算出基準が異なる数値を単純に比較して記事を書いていると思えた。100%の確証はなかったものの、この記事は根本的に成り立っていない可能性が非常に高い。何と言っても、タイトルが「日本のエンゲル係数なぜ高い」なのだから、エンゲル係数が先進国の中で平均的となれば、意味のない記事になってしまう。そこで当時、太田泰彦編集委員に説明を求めた。しかし、結論から言うと、逃げ回って最後まで回答しなかった。

太田泰彦編集委員は、自分の言い分にケチを付けそうもない社内の従順な人間に説明をしただけで問題を握りつぶしてしまった。社内での立場は強いのだから、そういうやり方の方が簡単だし、プライドも保てるはずだ。しかし、日経の対処方法を読者は支持しないだろう。

そこで、太田泰彦編集委員にメールを送ることにした。内容の一部を紹介する。


【太田泰彦編集委員に送ったメールの内容】

回答を待っていましたが、1週間近く経っても返事がないので「回答の意思なし」と判断しました。不適切な対応を放置するわけにもいかず、経緯を「喜多メール」と「杉田ホットライン」に投稿しておきました。とは言え、これによって何らかの変化が生じるとは期待していません。太田さんの立場は安泰なはずです。そして、その事実は日経の未来を暗示してもいます。

「社内の力関係に頼るのではなく、言葉や論理で勝負できる書き手になってほしい」という願いは捨て切れません。しかし、まともな書き手に今から生まれ変わらせる力は私にもありません。残された時間が徐々に少なくなる中で、「第2の太田泰彦」を生み出さないために自分には何ができるのかを考えていくつもりです。


2011年当時の予想通り、今も太田泰彦編集委員の立場は安泰のようだ。「日本のエンゲル係数なぜ高い」という問題の記事も、日経のデータベースにしっかり残っている。自分にもっと力があれば…という無念さは今も消えない。記事の説明に問題がないと考えているのであれば、今からでも遅くないので、きちんとした説明をしてほしい。それが実現しない限り、太田泰彦編集委員の評価はF(根本的な欠陥あり)を維持するしかない。

※太田泰彦編集委員については「問題多い太田泰彦編集委員の記事」(1)(2)参照。

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