2015年6月20日土曜日

振れ幅 大きい? 日経「長期金利、半月ぶり低水準」(2)

19日の日経朝刊に出ていた「「長期金利、半月ぶり低水準」(マーケット総合2面)について、細かい点を指摘していく。

【日経の記事】
改修中のグラン・プラス(ブリュッセル)  ※写真と本文は無関係です

長期金利が半月ぶりの低水準に下がった18日の40年物国債の入札が「順調」な結果となり、債券需給に対する不安感が後退した。6月に入ってから長期金利と株式相場の連動性が強まっており、この日は日経平均株価が終値で1カ月ぶりに2万円を割り込んだことも長期金利の押し下げ圧力となった。ただ、引き続き振れ幅の大きい展開となる可能性がある。


 18日の債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは前日比0.045%低い(債券価格は高い)0.435%まで下げた。2日以来の低さだ。長期金利は直近のピークから0.1%以上下げたことになる。

財務省が同日に実施した40年物国債の入札では応札額を落札額で割った応札倍率が2.60倍となり、前回と比べて小幅に上昇した。「6月の超長期債入札は全て終わり、当面は需給の不安が台頭しにくい」(ドイツ証券の山下周氏)といい、債券の一定の買い安心感につながったとみられる。


◎「低水準に下がった」?

日本語としておかしいとは言わないが「低水準に下がった」は引っかかる。「長期金利が半月ぶりの低水準となった」でいいのではないか。


◎株安が長期金利の押し下げ要因?

6月に入ってから長期金利と株式相場の連動性が強まっており、この日は日経平均株価が終値で1カ月ぶりに2万円を割り込んだことも長期金利の押し下げ圧力となった」と書いてあると、株価の下落が長期金利の低下要因になったと読み取れる。しかし記事の終盤では以下のように説明している。


【日経の記事】

欧米金利が低下すれば内外金利差縮小を意識し、ドルやユーロに対して円高が進む。企業業績に悪影響が出るとの見方から株価が下落する。国内の長期金利は欧米金利に合わせて押し下げられる。そのため株価と長期金利が連動するようにみえているというわけだ


上記のくだりからは、「欧米の金利に連動して日本の長期金利が下がるのであって、株価下落が長期金利の低下を招いているわけではない」と読み取れる。だとすると、「日経平均2万円割れが長期金利の押し下げ圧力になった」との説明とあまり整合しない。



◎つながりが不自然では?

ただ、引き続き振れ幅の大きい展開となる可能性がある」と逆接的につないでいるのが不自然だ。その前の部分では「長期金利が下がっている」「株安が長期金利を押し下げた」などと書いているだけだ。「入札が順調であれば、振れ幅は本来大きくならないはずだ」といった前提が記者にはあるのかもしれないが、それを読者と共有しているとも思えない。


◎無駄な繰り返し

半月ぶりの低水準に下がった」と書いた後に「2日以来の低さだ」と入れる必要があるのだろうか。「18日の40年物国債の入札」「財務省が同日に実施した40年物国債の入札」と日付を2回入れなければならないのだろうか。こうした繰り返しを避ければ、記事はもっと簡潔にできる。そうした工夫を怠らないでほしい。

※記事の評価はD(問題あり)

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