2020年の最後は、週刊エコノミストの藤枝克治編集長が2021年1月12日号に書いた編集後記を取り上げたい。読者からの間違い指摘を無視して多くのミスを放置する雑誌の編集長の言葉として読むと色々と考えさせられる。
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大阪城 |
全文は以下の通り。
【エコノミストの記事】
分断は、トランプ大統領による米国の話、と思っていたが、新型コロナが日本にもたらしたのも社会の分断だった。恐怖にかられてマスク着用や自粛に従わない者を犯罪者のごとく非難する人々と、コロナを風邪やインフルエンザと同様に捉えて無用の自粛に憤る人々の間には、憎しみに似た溝がある。
まだコロナがどういうものか、はっきりしなかった昨年春ごろは、それも仕方ないと思ったが、1年たって多くを学び、同じデータを見ているのに、両者の対立は先鋭化している。
要するに人は自分が知りたい事実や数字しか見ないのだろう。トランプ氏に投票した支持者は、4年たって減るどころか、逆に増えた。論理で説得しようとしても無駄だ。トランプ氏が好きか嫌いか、コロナは怖いかどうか、人は感情で判断し、理屈は後から付いてくる。数年たち冷静になって反省するのはどちらだろうか。
◎藤枝編集長を「論理で説得しようとしても無駄」?
「人は自分が知りたい事実や数字しか見ないのだろう」とは思わない。そうではない「人」も当たり前にいるはずだ。藤枝編集長は自分自身にも「知りたい事実や数字しか見ない」傾向があると気付いているようだ。でないと、こういう書き方にはならない。
そして「論理で説得しようとしても無駄だ」「人は感情で判断し、理屈は後から付いてくる」と続けている。
雑誌の編集長を務めるほどの人物だから、読者からの間違い指摘を無視してミスを放置するのがなぜ好ましくないか「論理で説得」できると信じて、これまで藤枝編集長にメッセージを送ってきた。しかし藤枝編集長は「感情で判断」する人であり、無視を正当化する「理屈は後から」いくらでも付けられるのだろう。
自分は藤枝編集長の「感情」に基づいて、気に食わない読者と「判断」されているのかもしれない。その場合は「論理で説得しようとしても無駄だ」。
12月25日にも藤枝編集長には問い合わせを送っている。やはり回答は届いていない。少なくとも自分は「憎しみ」とは無縁だが、藤枝編集長から見れば、「自分が知りたい事実」とは正反対の「事実」を突き付けてくる読者との間には「憎しみに似た溝」を感じるのだろう。
「冷静になって反省」すべきなのは自分なのか。それとも藤枝編集長なのか。結果が出る日が来ると信じたい。
ついでに細かい注文を1つ。
「恐怖にかられてマスク着用や自粛に従わない者を犯罪者のごとく非難する人々」と書くと「マスク着用や自粛に従わない者」が「恐怖にかられて」いるように見える。「マスク着用や自粛に従わない者を恐怖にかられて犯罪者のごとく非難する人々」などとした方が好ましい。
25日に送った問い合わせを再掲しておく。記事の説明で問題ないという「理屈は後から付いて」きたのだろうか。
【エコノミストへの問い合わせ】
岩田太郎様 週刊エコノミスト編集長 藤枝克治様
12月29日・1月5日合併号の特集「世界経済総予測 2021」の中の「インタビュー1~ジム・ロジャーズ『21年の株は最後のひと上げ まだ割安の日本は“買い”だ』」という記事についてお尋ねします。記事中で「米国や日本の株式市場は過熱しており、史上最高値圏にある」とロジャーズ氏は述べています。
日経平均株価で見ると「史上最高値(終値)」は1989年に付けた3万8915円です。2020年に関しては3万円にも届かない状況が続いており「史上最高値圏にある」とは言えません。しかもロジャーズ氏自身が記事の中で「日本株」について「史上最高値よりまだ4割も安い」と述べており、発言に矛盾があります。
「米国や日本の株式市場は過熱しており、史上最高値圏にある」というのはロジャーズ氏の発言を忠実に訳したのかもしれませんが事実関係が誤っているのではありませんか。回答をお願いします。間違いであれば次号で訂正してください。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。
御誌では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。読者から購読料を得ているメディアとして責任ある行動を心掛けてください。
※今回取り上げた記事「From Editors」
※記事の評価はC(平均的)。ミス放置を続けている責任を重く見て藤枝克治編集長への評価はF(根本的な欠陥あり)を据え置く。藤枝編集長に関しては以下の投稿も参照してほしい。
がん「早期発見→手術」がベスト? 週刊エコノミスト藤枝克治編集長の誤解https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/11/blog-post_27.html
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