2018年2月25日日曜日

「人件費が粗利を圧迫」? 週刊ダイヤモンド岡田悟記者に問う

週刊ダイヤモンドの岡田悟記者には、これまで厳しい評価をしてきた。3月3日号に岡田記者が書いた「Inside~そごう・西武がPBから撤退 百貨店の衣料品販売は限界か」という記事も、やはり問題が多い。ダイヤモンド編集部には以下の内容で問い合わせを送っている。
今川沿いの菜の花(福岡県行橋市)※写真と本文は無関係です

【ダイヤモンドへの問い合わせ】

週刊ダイヤモンド編集部 岡田悟様

3月3日号の「Inside~そごう・西武がPBから撤退 百貨店の衣料品販売は限界か」という記事についてお尋ねします。記事には「同社(=そごう・西武)によると、PBはNBと異なり自社の社員が販売を担うが、販売が伸び悩んだことで、その人件費が粗利を圧迫していた」との説明があります。

この説明を信じれば「販売にかかる人件費の増加は粗利益を押し下げる要因になる」と言えるはずです。しかし、百貨店の場合、人件費は販管費に含まれます。「粗利益-販管費=営業利益」との関係が成り立つので、人件費がどれだけ増えても粗利益には影響しません。

人件費が粗利を圧迫していた」との説明は誤りではありませんか。問題ないとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。

御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアの一員として責任ある行動を心掛けてください。

せっかくの機会ですので、さらにいくつか指摘させていただきます。

まず、そごう・西武のPBである「リミテッド エディション」について「販売が伸び悩んだ」と説明しているのが引っかかります。記事中の「年間売上高はピーク時100億円ほどだったが、現在は60億円程度まで落ちている」との記述と整合しません。

伸び悩む」とは「伸びが鈍化する」という意味です。販売が減少傾向ならば「販売が伸び悩んだ」と表現するのは不正確です。

次に、以下の記述についてです。

現在、都心の百貨店は、インバウンド客と国内富裕層の高額品需要で空前の好業績に沸いている。郊外店が多いそごう・西武はなお苦戦しているが、売り上げの多くを占める婦人服の販売不振という課題は共通している。その解決策としてPB強化が進められてきたわけだが、結果を出すことができず撤退することとなった

都心の百貨店は空前の好業績に沸いている」というのは本当ですか。1月の売上高を見ると、三越伊勢丹ホールディングスでは都心3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の合計で前年同月比1.2%増と、それほど伸びではありません。高島屋は新宿店こそ1.9%増ですが、日本橋店は4.1%減です。この数字を見る限りでは「空前の好業績」とは感じられません。

付け加えると「その解決策としてPB強化が進められてきたわけだが、結果を出すことができず撤退することとなった」というくだりは、「こと」を繰り返すなど冗長な印象を受けます。「進められてきた」と受け身にする必要もないでしょう。改善例を示してみます。

<改善例>

その解決策としてPB強化を進めてきたが、結果を出せずに撤退が決まった。


かなりスッキリしたと思いませんか。情報量に差はないはずです。記事を書くときは、できるだけ簡潔な表現を心掛けてください。


◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた記事「Inside~そごう・西武がPBから撤退 百貨店の衣料品販売は限界か
http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/22835

 
※記事の評価はD(問題あり)。岡田悟記者への評価はF(根本的な欠陥あり)を据え置く。岡田記者に関しては以下の投稿も参照してほしい。

週刊ダイヤモンドも誤解? ヤフー・ソニーの「おうちダイレクト」
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/11/blog-post_4.html

こっそり「正しい説明」に転じた週刊ダイヤモンド岡田悟記者
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/08/blog-post_96.html

肝心のJフロントに取材なし? 週刊ダイヤモンド岡田悟記者の怠慢
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/08/blog-post.html

「井阪体制」批判が強引な週刊ダイヤモンド岡田悟記者
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2018/01/blog-post_16.html

1 件のコメント:

  1. 唐突なコメント投稿、お許し下さい。私も、岡田某の記事について正確ではない点が多々あること、気になり検索しておりましたところ、こちらのブログにたどりつきました。例えば百貨店業界に対しては、数字如何によらず、甘く評価する社とそうでない社が明確にわかれていることに気付きます。岡田氏は高島屋がお好きなようです。記名で記事を書かれている点はまだましですが、似たような数字でも表現によって結論を誘導する、というのはみっともない事と自覚してほしいものです。

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