2016年5月13日金曜日

「同日」の用法が拙い日経「富士重、新社名SUBARUに」

日本経済新聞には「同社」「同国」「同氏」「同日」などをきちんと使えない記者が多い。記者教育が不十分なので、基本を身に付けないままデスクになってしまう。結果として、デスクも見過ごしてお粗末な記事を世に送り出していく。その典型例が13日の朝刊企業面にあった。

富士重、新社名『SUBARU』に ブランドに磨き」という記事の全文は以下の通り。

久留米百年公園(福岡県久留米市)※写真と本文は無関係
【日経の記事】

富士重工業は12日、2017年4月1日付で社名を「SUBARU(スバル)」に変更すると発表した。知名度が高い自動車ブランドの「スバル」を社名とすることで、航空事業も含めた企業イメージを統一。世界各地でブランド力を高めたい考え。12日に記者会見した吉永泰之社長は「魅力的なブランドを築き、未来を切り開きたい」と語った=写真。6月28日の株主総会で承認を得る。

富士重は同日、現行の中期経営計画を改定して公表した。20年度の世界販売台数を120万台超として従来計画から10万台上積みしたほか、米国での投入を検討していた電気自動車について発売時期を21年と明記した。

富士重は同日、17年3月期の連結業績は、純利益が前期比33%減の2930億円になりそうだと発表した。5期ぶりの減益となる。

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6月28日の株主総会で承認を得る」と書いた直後に「富士重は同日、現行の中期経営計画を改定して公表した」と出てくる。これでは「同日=6月28日」になってしまう。しかし、実際には「同日=5月12日」のはずだ。記事中に2回出てくる「同日」を「6月28日」と誤解する人はいないかもしれない。だが「日経ってきちんと記事が書けない人の集まりなのかな」との印象を抱く人がいても不思議ではない。

10日の朝刊1面に載った「中国と世界~夢追う国の限界(1)『L字』停滞の恐怖」という記事でも似たような使い方をしていた。「それでも中国は同国のSOSに応えられずにいる」と書いた場合、「同国=中国」と解釈する読者を責められない。しかし、ここでの「同国」は文脈から考えると「ベネズエラ」だ。

1面の囲み記事は編集局の幹部を含め、多くの社員が目を通した上で読者の元に届く。それでもこうした表記が当たり前のように残ってしまうところに日経の抱える病巣の深さがある。


※富士重工業の記事に関しては、「同日」以外に目立った問題がないのでC(平均的)と評価する。

1 件のコメント:

  1. この同日 等もそうですが
    代名詞やこそあどの指しているものが
    、ってどれ?何?
    って思うことがしばしばあります。
    断定もしない、推測もしないという
    無難な結論などによくみられますが
    今回の同日 や 同国 も
    書くことの真偽ばかりをみていると記事として
    おかしくなるということですかね。
    と、
    13日の春秋ですが(ここも一応一面)
    ESGに触れていますね。
    おそらく、鹿毛さんのブログでも採りあげられた方が書いているのでしょうが
    ラスト行、みなさんの会社はどうだろうか・・・・・
    ええ?こっち(読者)にふるか???

    内外に向けて風通しのよい組織、
    消費者に丁寧に寄り添う
    そういうところ ウチはちゃんとしてるけどという
    前提なのか
    背中に油汗かきながら書いたのかどっちなのでしょうね。
    鹿毛様が何度も問い合わせをしても無視をきめこむ
    会社さんみたいですが。。

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