福岡県うきは市の流川桜並木※写真と本文は無関係です |
編集委員 田村正之様
「マネー底流潮流~強まる日銀の追加観測」という記事についてお尋ねします。記事に付けたグラフの注記で「変動相場制に以降した73年以降の平均に近かった2005年3月を100として指数化」と書いていますが、「変動相場制に以降」は「変動相場制に移行」の誤りではありませんか。誤りであれば訂正記事の掲載をお願いします。問題ないという場合、その根拠を教えてください。
日本経済新聞社では記事中の間違いの握りつぶしが常態化しています。私自身がミスの多いタイプであり、今回のような単純な誤りを厳しく責めるつもりはありません。訂正を出して、少し反省すれば済む話です。しかし、指摘を無視した場合は読者への明らかな背信行為となります。
記事の書き手として適切な対応をお願いします。田村様ならば、それができると信じています。
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田村編集委員に関しては、9日の朝刊マネー&インベストメント面に載った「円の真の『実力』を知る~実質実効レート 長期上昇を示唆」という記事を論評した際に、実質実効レートの平均を取る期間をどういう基準で選んだのか説明すべきだと注文を付けた。今回はそれができている。その点は評価したい。ただ、変換ミスを見逃してしまったようだ。
このミスを除けば記事に大きな問題はない。だが、せっかくの機会なので、細かい点を追加で指摘したい。
◎「基調が加速」?
「こうした新たな施策が取り沙汰されるのは、このままでは円高基調が中期的に加速する懸念があるからだ」とのくだりの「基調が加速」との表現が引っかかる。相場の「基調」は強まったり弱まったりはするが、加速や減速はしない気がする。今回の場合、「円高が中期的に加速する懸念」で何の問題もない。簡潔に書くと言う点からも「基調」はない方が好ましい。
◎「日銀緩和」?
「実際に日銀緩和はあるのか」という部分も気になった。「日銀緩和」がおかしいとは言わないが、あまり馴染みはない。「実際に追加緩和はあるのか」の方がしっくり来る。どうしても「日銀」を入れたいのならば「実際に日銀は緩和に動くのか」としてはどうか。
※単純ミスはあったが、出来はそれほど悪くない。記事の評価はC(平均的)とする。D(問題あり)としてきた田村正之編集委員の書き手としての評価は問い合わせへの対応を見て決めたい。「変動相場制に以降」は言い逃れのできないミスなので、握りつぶす場合は田村編集委員の評価もF(根本的な欠陥あり)とするしかない。
追記)結局、回答はなかった。
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