2016年4月15日金曜日

ロック・フィールドの奇妙な社長人事で日経が書くべきこと

流通業界のトップ人事と言えばセブン&アイホールディングスに注目が集まっているが、14日にはロック・フィールドも気になる人事を発表している。15日の日本経済新聞朝刊企業面に載った「ロック・フィールド創業者の岩田氏、社長に復帰」という記事の全文を見た上で、日経に注文を付けておきたい。
西南学院小学校(福岡市早良区)※写真と本文は無関係です

【日経の記事】

総菜店「RF1」などを展開するロック・フィールドは14日、創業者の岩田弘三会長兼最高経営責任者(75)が5月1日付で社長に復帰する人事を発表した。古塚孝志社長(51)は代表権の無い専務になる。古塚氏は工場立ち上げなどに携わってきた生え抜きで、2014年に社長に就いていた。

同社は16年4月期も増収増益を見込むが、「経営体制を刷新して一層の企業価値向上を図る」としている。

岩田 弘三氏(いわた・こうぞう)56年(昭31年)兵庫県立東神戸高校中退。72年ロック・フィールド設立、社長。14年会長兼最高経営責任者。兵庫県出身。75歳

----------------------------------------

「これだけ?」というのが率直な感想だ。業績不振に陥ったわけでもないのに、就任から2年しか経っていない51歳の社長を専務に降格させて、創業者の会長が社長に復帰する。「ロック・フィールドに何があったのか?」と思うのが当然だ。しかし、日経を読んでもロック・フィールドがニュースリリースに載せた「経営体制を刷新して一層の企業価値向上を図る」という「異動の理由」が出ているだけだ。

一般紙ならばまだ分かる。何のための経済紙なのか。人事なんて他紙より早く報じる必要はない。ただ、気になる発表があったら「さすがに経済紙だな」と思わせてくれる解説が欲しい。

発表された段階では、記者も何が何だか分からないはずだ。それを責めるつもりもない。しかし、「古塚社長は何か問題を起こしたんですか」といった質問を広報担当者にぶつけるぐらいはできるだろう。「ニュースリリース以上の内容は何も言えない」といった反応しかないかもしれない。それでも何かしらの取材結果を記事に盛り込んでくれれば、「記者も問題意識を持って取材しているんだな」と思えるし、読者として続報を待つ気にもなる。

16年4月期も増収増益を見込むが~」の部分に問題意識が見えなくもないが、やはり物足りない。ロック・フィールドでは従来も岩田弘三氏が「会長兼最高経営責任者」だったのだから、同氏の経営トップとしての地位は変わらない。つまり「経営体制を刷新」には当たらない。なのになぜ社長を専務に下げてまで社長に復帰するのか。やはり謎だ。

経済紙として日経の続報に期待したい。


※記事の評価はC(平均的)。

0 件のコメント:

コメントを投稿