2015年8月4日火曜日

日経 滝田洋一編集委員 「核心」に見える問題点(1)

3日の日経朝刊オピニオン面に載った「核心~『日本化』しないユーロ圏  43兆円投資で好循環狙う」は甘い分析と粗い構成が目立つ記事だった。筆者は 滝田洋一編集委員。多くを期待する方が愚かなのかもしれないが…。

記事の問題点を具体的に見ていこう。

ルクセンブルクの新市街  ※写真と本文は無関係です

【日経の記事】

「ギリシャ救済をめぐる仮面劇も、こう何度も演じられると観客が飽きてしまう」。渡辺博史国際協力銀行総裁は、欧米紙の風刺画を手にしばし苦笑した。

2010年から13年までギリシャ大使を務めた戸田博史UBS証券特別顧問は、任期中に幾度も繰り返された危機と応急対応の再演に嘆息したひとりだ。「寡占資本、労働組合、メディアの鉄の三角形は何も変わらず、チプラス首相はその上に乗っている」という。

欧州といえばギリシャ。ほかの国々への関心は今や著しく希薄である。ならば問う。バブル崩壊後の日本のようにデフレ不況に陥る恐れはあるのだろうか。

結論をいえば、杞憂(きゆう)に終わったようだ。いったん前年比でマイナスに陥ったユーロ圏の消費者物価指数は、小幅ながらプラスに転じた。実質成長率の見通しも、わずかだが上方修正された。「スペインやイタリアなど他の債務国は、ギリシャと同一視されなくなった」と戸田氏。


最初の4段落がいきなり苦しい。まず、ギリシャ救済を巡るドラマがなぜ「仮面劇」なのか、何の説明もない。そもそも最初の2段落が無駄だ。戸田氏を登場させる意味も感じられない。最初の2段落を削って、例えば第3段落の最初を「欧州と言えば、危機と応急対応を繰り返すギリシャがまず思い浮かぶ」と直して、そこから記事を始めても立派に成立する。不要な話を行数稼ぎのために盛り込むのは避けてほしい。

問題はそれだけではない。「欧州といえばギリシャ。ほかの国々への関心は今や著しく希薄である」という説明に同意はできないが、とりあえず受け入れるとしても「ならば問う。バブル崩壊後の日本のようにデフレ不況に陥る恐れはあるのだろうか」と続く展開が奇妙だ。ギリシャに関心が集中していると、なぜ「デフレ不況に陥る恐れはあるのだろうか」と問う必要があるのだろうか。しかも、普通に考えるとデフレ不況に陥るかどうかを論じる対象は「ギリシャ」になりそうだが、なぜか「欧州」だ。構成をきちんと練る気がないのか、そもそも練る能力がないのか…。

他にもこの記事には問題が多い。長くなるので残りは(2)で論じる。

※(2)へ続く。

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