2018年12月26日水曜日

CEO主導の経営を「院政」と表現する週刊エコノミストの非常識

CEOが会社経営の実権を握る存在なのは、経済記者でなくても分かる常識だ。企業ニュースを書く記者ならば当然に理解していてほしい。しかし週刊エコノミストには、この常識を持ち合わせていない記者がいるようだ。2009年1月1・8日号の「ブリヂストンで社長職復活 津谷CEOの院政が濃厚」という記事では、「CEO」主導の経営を「院政」と表現している。これは辛い。
渋谷モディ(東京都渋谷区)
   ※写真と本文は無関係です

エコノミスト編集部には以下の内容で問い合わせを送った。

【エコノミストへの問い合わせ】

週刊エコノミスト 編集長 藤枝克治様  

1月1・8日号の「ひと&こと~ブリヂストンで社長職復活 津谷CEOの院政が濃厚」という記事についてお尋ねします。記事ではブリヂストンの「最高経営責任者(CEO)兼会長の津谷正明氏」と「COO兼社長に就任する」予定の「江藤彰洋副社長」に関して「後任の江藤氏は津谷氏の『子飼い』として有名。津谷氏が院政を敷くのは間違いなさそうだ」と記しています。

企業経営で「院政」と言う場合、「現職を引退した人が、なお実権を握っていること」(デジタル大辞泉)を指します。「津谷氏」の場合、「CEO兼会長」に留まっているので「院政」には当たりません。

CEO兼会長」の「津谷氏」が経営を主導することを「院政」と表現するのは誤りではありませんか。問題なしとの判断ならば、その根拠も併せて教えてください。

「CEO=経営トップ」というのは、企業関連記事を書く記者にとって基本知識だと思えます(「最高経営責任者」という訳語からも明らかです)。今回の記事を書いた記者にその認識がなく、編集部内でチェックも働かなかったとすれば、かなり問題です。

御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。読者から購読料を得ているメディアとして責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた記事「ひと&こと~ブリヂストンで社長職復活 津谷CEOの院政が濃厚

※記事の評価はE(大いに問題あり)。

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