2018年8月8日水曜日

四国では「高松」が断トツ? 東洋経済「ザ・名門高校」

週刊東洋経済8月11~18日号の特集「ザ・名門高校」の問題点を引き続き取り上げる。今回は「四国の進学校の中で断トツの存在感があるのは香川県の高松」と言えるかどうかを検討したい。東洋経済には以下の内容で問い合わせを送った。
豪雨被害を受けた比良松中学と復旧工事中の桂川
    (福岡県朝倉市)※写真と本文は無関係です

【東洋経済への問い合わせ】

週刊東洋経済編集部 長谷川隆様 福田恵介様 林哲矢様

8月11~18日号の特集「ザ・名門高校」の中の「地域の誇り 名門校の横顔 列島縦断 有力校勢力図 中国・四国」という記事についてお尋ねします。記事には「四国の進学校の中で断トツの存在感があるのは香川県の高松だ。18年度入試でも東大に7人、難関国立大に79人が合格している」との記述があります。

しかし、「四国の進学校」で最も「存在感がある」のは愛媛県の愛光学園ではありませんか。記事でも「四国だけでなく西日本全域から生徒が集まる私立の愛光は県下一の大学合格実績だ」と記しています。

まず、入試の難易度では「愛光」が「高松」をかなり上回っています。次に、今回の特集に載せた表で進学実績を見ると、東大合格者は愛光が13人で高松の7人を上回っています。「国公立大医学部医学科」でも愛光の61人に対し高松は30人です。

難関国立大合格者数」で見れば、愛光は50人で高松の79人を下回ります。しかし、卒業生数は高松の方が125人多いことなどを考慮すると、「四国の進学校」で最も「存在感がある」のは「愛光」と言うべきでしょう。

記事では「四国の進学校の中で断トツの存在感があるのは香川県の高松」と書いているのですから、「愛光」は互角でも僅差の2位でもないはずです。これは、さすがに無理がありませんか。

四国の進学校の中で断トツの存在感があるのは香川県の高松」との説明は誤りと考えてよいのでしょうか。問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。御誌では、読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。

◇   ◇   ◇

四国の事情には詳しくないが、「四国の進学校の中で断トツの存在感があるのは香川県の高松」という説明に納得する四国の関係者は少なそうな気がする。

追記)結局、回答はなかった。

※今回取り上げた特集「ザ・名門高校
https://dcl.toyokeizai.net/ap/registinfo/init/toyo/2018081100


※特集全体の評価はD(問題あり)。福田恵介記者への評価は暫定C(平均的)から暫定Dへ引き下げる。長谷川隆記者と林哲矢記者は暫定でDとする。今回の特集に関しては以下の投稿も参照してほしい。

佐倉高校は千葉市にある? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_19.html

表紙の「沖縄外し」が気になる東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_80.html

愛知は本当に「2トップ」?東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_9.html

「北野」「天王寺」の説明が苦しい東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_8.html

「福岡知らず」が過ぎる東洋経済の特集「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_1.html

「熊本高校同窓会」の説明に難あり 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_11.html

内部進学85%でも「ほぼ全員」? 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/85.html

早大「内部進学人気」に疑義あり 東洋経済「ザ・名門高校」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/08/blog-post_16.html

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