【日経BP社への問い合わせ(1)】
高良山(福岡県久留米市) ※写真と本文は無関係です |
井上理様 中尚子様 齊藤美保様
12月21日号の特集「シェアリングエコノミー」についてお尋ねします。31ページの記事で米ウーバーテクノロジーズについて「月に4回以上、営業するドライバーは世界で110万人以上。彼らが客を運んだ回数は月1億回を超える。『旅客を担う組織』として考えれば、世界最大手と言える」と書かれています。しかし、例えば首都圏でのJR東日本の在来線利用者は1週間で1億1462万人と推定されています(JR東日本企画調べ)。1カ月だと4億人を軽く超えます。旅客輸送規模の指標となる「輸送人キロ」で見れば、さらに差が開くでしょう。
「世界最大手」との説明は誤りと考えてよいのでしょうか。正しいとすればその根拠を教えてください。
日経ビジネス編集部では、記事中の誤りを握りつぶすのが当たり前になりつつあります。これは読者への明らかな背信行為であり、メディアとしての自殺行為でもあります。井上様、中様 齊藤様には、記事の書き手としての適切な対応をお願いします。
【日経BP社への問い合わせ(2)】
12月21日号の特集「シェアリングエコノミー」についてお尋ねします。43ページの記事で「同期間、世界中のホテルでどれだけの緊急事態が起きたか知るすべもないが、エアビーより少ないことは明らか。『民泊だから危険』というのは誤解と言っていい」と書かれていますが、「エアビーより多い」でないと展開として不自然です。
このくだりでは、今年夏のエアビー利用者のうち緊急対応を必要としたのは全世界で300件と少ないことを紹介した上で「民泊だから危険との見方は誤りだ」と訴えているはずです。世界中のホテルの緊急事態の方が件数で明らかに下回るのであれば「だったらホテルの方が安心なのでは?」という話になってしまいます。
「エアビーより少ない」は「エアビーより多い」の誤りと考えてよいのでしょうか。記事の説明に問題なしとの判断であれば、その根拠も教えてください。
今回の特集に対しては、米ウーバーテクノロジーズを「『旅客を担う組織』として考えれば、世界最大手」と説明したことについても「誤りではないか」と指摘しました。19日に問い合わせを送ったものの、まだ回答を頂いていません。
1つの特集で2つの誤りがあっても、個人的にはそれほど大きな問題だとは思いません。ただし、指摘を無視して誤りを握りつぶすのであれば話は別です。井上様、中様、齊藤様の記者人生の中で消し去れない汚点となるでしょう。その点を十分に考慮した上で、適切な対応をしてください。
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記事には他にも気になる点があった。それらに触れた上で、特集全体と3人の記者に対する評価を考えたい。
※(2)へ続く。
追記)問い合わせに対して日経BP社から「ご指摘の誤りについては、誌面で訂正いたします」との回答があった。
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