2021年2月5日金曜日

コロナ禍での「女性に集中した対策」を訴える白波瀬佐和子 東大教授に異議

女性記者が女性問題について女性識者にインタビューすると問題が起きやすい気がする。5日の日本経済新聞夕刊くらしナビ面に載った「コロナ禍 女性の雇用直撃~DV相談も増 対策優先的に」という記事もそうだ。関優子記者が東京大学教授の白波瀬佐和子氏に語らせた内容の一部を見ていこう。

錦帯橋

【日経の記事】

コロナは飲食業など対面型のサービス業を直撃した。誰が働いているかといえば女性だ。非正規雇用の約7割を女性が占め、低賃金で不安定な立場にある。看護や介護、保育などの分野にも女性の働き手が多く、過酷な労働環境にさらされている。


◎働いてるのは女性だけ?

対面型のサービス業」で働く男性も当然にたくさんいる。なのに白波瀬氏は「誰が働いているかといえば女性だ」と言い切っている。

「女性だけが大変だ」的な発言は他にもある。

【日経の記事】

日本は家庭内の性別役割分業が固定的だ。学校が休校になった際、誰が子の面倒を見たか。大抵は女性だ。実態調査で、コロナ禍で『生活に変化があった』と答えたのは男性よりも女性の方が多かった。非常時では、子や親の世話、食事作りなど細かいことまで想定して備えなければならない。多くは女性が担っており、ストレスが増している


◎その間、男性は遊んでる?

学校が休校になった際、誰が子の面倒を見たか。大抵は女性だ」と言うが根拠は示していない。「実態調査で、コロナ禍で『生活に変化があった』と答えたのは男性よりも女性の方が多かった」としても、だから「大抵は女性」が「面倒を見た」とは言えない。在宅勤務が増えたことを考えると「子の面倒」を見る比重で男女差が縮小した可能性も十分にある。

仮に「子の面倒」を見たのが「大抵は女性」だったとしても、男性が遊んでばかりいる訳でもないだろう。「コロナ禍」のように社会全体に負荷がかかる問題で「多くは女性が担っており、ストレスが増している」などと女性の負担ばかりを強調するのは適切なのか。

白波瀬氏の発言で最も問題を感じたのが以下の部分だ。

【日経の記事】

男性を無視していいと言っているわけではない。ただこれまでの構造的な男女のジェンダー格差が、緊急時に問題として表れた。女性に対して優先的に対策を講じ、コロナ禍とジェンダー格差の二重苦を同時に解決しなければならない。


◎これまでの「構造的」な「格差」を言うのなら…

白波瀬氏は「女性の自殺も増え、事態は深刻だ。一連の状況を見ると、女性に集中した対策がとられてしかるべきだ」とも訴えている。

自殺」に関しては確かに「構造的な男女のジェンダー格差」がある。男性の自殺率は女性の約2倍だ。つまり男性の方が自殺しやすい。「自殺」での「ジェンダー格差」の解消を目指すならば「女性」ではなく「男性に集中した対策」を取るべきだ。

しかし「ジェンダー格差」の解消を目的とするのも間違っていると思える。男性の方が自殺しやすいとはいえ、女性で自殺する人もいる。ならば「性別で区切らず自殺リスクの高そうな人に向けて対策を講じる」のが好ましい。

他の問題でも同じだ。「休校」で「子の面倒」を見るのが大変な人が多いから支援しようとなった時に「大抵は女性」が面倒を見ているからと言う理由で女性への支援を優先すべきなのか。

男女を問わず「子の面倒」を見るのが大変な人を支援すべきだろう。「男性を無視していいと言っているわけではない」と言い訳しながら、実際には「男性を無視」しているのに等しい主張を白波瀬氏は展開している。

なぜこうも「ジェンダー」にこだわるのか。「非正規雇用」の人が困っているなら、その対象全体を見て対策を打てばいい。「看護や介護、保育」でも同じだ。なのになぜか「女性に対して優先的に対策を講じ」「女性に集中した対策がとられてしかるべき」ーーとなってしまう。


※今回取り上げた記事「コロナ禍 女性の雇用直撃~DV相談も増 対策優先的に

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210205&ng=DGKKZO68819250U1A200C2KNTP00


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