2021年2月22日月曜日

東洋経済 山田雄大氏の「日本製鉄が東京製綱に振り上げた『拳』の威力」に足りないもの

日本製鉄が東京製綱に敵対的TOBを仕掛けた件には関心がある。なぜ「19.9%への出資比率引き上げ」に留めるのか引っかかるからだ。東洋経済オンラインに山田雄大氏が書いた記事もこの疑問を解消してくれなかった。単純ミスを見つけたこともあり、以下の内容で問い合わせを送った。

筑後川と片の瀬橋

【東洋経済オンラインへの問い合わせ】

週刊東洋経済 解説部コラムニスト 山田雄大様 東洋経済オンライン 担当者様 

21日付の東洋経済オンラインに載った「日本製鉄が東京製綱に振り上げた『拳』の威力~株式を買い増して『会長は退け』と詰め寄る」という記事についてお尋ねします。この中に「TOBの期間は3月8日までだが、目標とする19.9%への出資比率引き上げは成立の確立が高い」との記述があります。「成立の確立」は「成立の確率」の誤りではありませんか。回答をお願いします。

問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。誤りであれば、問題部分の修正もお願いします。

せっかくの機会なので記事の感想も付け加えておきます。

今回の件で私が最も気になるのは、なぜ「19.9%への出資比率引き上げ」に留めるのかです。「TOBが成立しても19.9%しか出資しない以上、他の株主の利益相反となるような行動は取れない。かといって、東京製綱の再建支援を通して自社の利益を高められなければ、今度は日本製鉄の経営陣が株主から責任を問われるおそれがある」と山田様も書いています。

TOB」の本当の狙いが「海外材の調達拡大や脱鉄の動きに対する見せしめ」や「東京製綱の田中会長」の排除であれば、子会社化した方が話は簡単です。「日本製鉄」にとって資金負担が重いとも思えません。なのに「19.9%」止まり。その理由を知りたいのに、今回の記事には納得できる解説が見当たりません。今後に期待しています。

また東洋経済新報社では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。日本を代表する経済メディアとして責任ある行動を心掛けてください。


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※今回取り上げた記事「日本製鉄が東京製綱に振り上げた『拳』の威力~株式を買い増して『会長は退け』と詰め寄る

https://toyokeizai.net/articles/-/412132


※記事の評価はC(平均的)。山田雄大氏への評価はB(優れている)からCへ引き下げる。山田氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

東洋経済 山田雄大記者の秀作「スズキ おやじの引き際」https://kagehidehiko.blogspot.com/2016/10/blog-post_5.html

東洋経済「ニュースの核心」結果論で語らない山田雄大氏の姿勢を評価https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/11/blog-post.html

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