2021年2月11日木曜日

日経 芹川洋一論説フェローが森喜朗氏に甘いのは過去の「貸し借り」ゆえ?

11日の日本経済新聞朝刊総合1面に論説フェローの芹川洋一氏が書いた「森氏発言、国内外から批判~ムラ型政治は通用しない」という記事は歯切れが悪かった。見出しだけ見ると「森氏」に厳しそうに見えるが、直接的な批判は控えている。「東京五輪・パラリンピック組織委員会」の会長辞任も求めていない。

耳納連山と夕焼け空

権力闘争をなりわいとし、政治的な貸し借りで成り立っている政治家の間では、この手のタイプのリーダーに正面きって異議をとなえるのは、かなり勇気のいることだ」と芹川氏は書いている。政治記者として芹川氏も「森氏」と「貸し借り」があるのかもしれない。そう推測したくなる内容だった。

記事の後半を見ておこう。

【日経の記事】

古くは派閥のことを「ムラ」とよんだ。5つや6つの小さなムラが集まったのが自民党という大きなムラだった。森氏は今なお自民党のムラ長(おさ)だ。ムラビトからはおのずと「村長さんは失言したが、謝ったのだから大目に見よう」という話になる。それは仲間内の論理だ。

日本が外に向かって閉じていた時代、封建制をひきずる古いジャパニーズ・スタンダードの世ならば通用したのかもしれない。

しかし世の中はすでに2回転ぐらいしている。男女共同参画に異論を唱える人はいない。国際オリンピック委員会(IOC)は手じまいの態度を一変させ「一体性、多様性、男女平等は活動に不可欠な要素」と言い切った。森氏はどうするつもりだろうか。

ましてSNS(交流サイト)の時代である。個人がメディアになり、情報は世界を駆けまわる。在日ドイツ大使館や在日欧州連合(EU)代表部などが、発言を求める片手をあげた写真にハッシュタグをつけてツイッターで投稿。それぞれ2万近くリツイートされ、拡散をつづけている。

森問題は旧世代の男性社会の感覚をはしなくも露呈した面があるのは否定できない。あわせて、そのうえに成り立っている日本政治の姿もあぶりだした。

時代に乗り遅れた人のおこす悲劇が本人だけにとどまっていれば喜劇ですむ。しかし国ということになると劇の舞台そのものが危うくなるおそれすらある。火消しは今からでも遅くないから早いに越したことはない。

ムラ長(おさ)はムラビトから敬意をはらわれてこそムラ長だ。


◎なぜ辞任を求めない?

国ということになると劇の舞台そのものが危うくなるおそれすらある。火消しは今からでも遅くないから早いに越したことはない」と考えるのならば早期辞任を求めるのが当然だ。しかし、そうはならない。「森氏はどうするつもりだろうか」と傍観の構えだ。

結論の「ムラ長(おさ)はムラビトから敬意をはらわれてこそムラ長だ」も苦しい。ここで言う「ムラビト」は自民党所属の国会議員だ。「仲間内の論理」に縛られていてはダメだと訴えていたのかと思っていたが、やはり大事なのは「ムラビト」からの「敬意」なのか。

そもそも「ムラビトから敬意をはらわれてこそムラ長」という条件を「森氏」は満たしているのではないか。「村長さんは失言したが、謝ったのだから大目に見よう」と「ムラビト」がなっているのは「敬意」の表れとも取れる。

ついでに言うと「日本が外に向かって閉じていた時代、封建制をひきずる古いジャパニーズ・スタンダードの世ならば通用したのかもしれない。しかし世の中はすでに2回転ぐらいしている」という説明は理解に苦しんだ。

日本が外に向かって閉じていた時代、封建制をひきずる古いジャパニーズ・スタンダードの世」とはいつを指すのか。「日本が外に向かって閉じていた時代」と言うと江戸時代が思い浮かぶが「森氏」は生まれていない。「封建制をひきずる古いジャパニーズ・スタンダードの世」に至っては全く分からない。今もそうだと言えば、言えなくもない。

しかも「世の中はすでに2回転ぐらいしている」らしい。芹川氏の言う時代が具体的にいつ頃で「2回転」が何を指すのか見当が付かない。もう少しまともに説明できないものか。


※今回取り上げた記事「森氏発言、国内外から批判~ムラ型政治は通用しない」https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE107AP0Q1A210C2000000/

※記事の評価はD(問題あり)。芹川洋一氏への評価はDを据え置く。芹川氏に関しては以下の投稿も参照してほしい。

日経 芹川洋一論説委員長 「言論の自由」を尊重?(1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_50.html

日経 芹川洋一論説委員長 「言論の自由」を尊重?(2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_98.html

日経 芹川洋一論説委員長 「言論の自由」を尊重?(3)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/06/blog-post_51.html

日経の芹川洋一論説委員長は「裸の王様」? (1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_15.html

日経の芹川洋一論説委員長は「裸の王様」? (2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_16.html

「株価連動政権」? 日経 芹川洋一論説委員長の誤解
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2015/08/blog-post_31.html

日経 芹川洋一論説委員長 「災後」記事の苦しい中身(1)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_12.html

日経 芹川洋一論説委員長 「災後」記事の苦しい中身(2)
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/03/blog-post_13.html

日経 芹川洋一論説主幹 「新聞礼讃」に見える驕り
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/04/blog-post_33.html

「若者ほど保守志向」と日経 芹川洋一論説主幹は言うが…
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/06/blog-post_39.html

ソ連参戦は「8月15日」? 日経 芹川洋一論説主幹に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/11/815.html

日経1面の解説記事をいつまで芹川洋一論説主幹に…
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2016/12/blog-post_29.html

「回転ドアで政治家の質向上」? 日経 芹川洋一論説主幹に問う
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2017/08/blog-post_21.html

「改憲は急がば回れ」に根拠が乏しい日経 芹川洋一論説主幹
http://kagehidehiko.blogspot.jp/2018/01/blog-post_29.html

論説フェローになっても苦しい日経 芹川洋一氏の「核心」
http://kagehidehiko.blogspot.com/2018/04/blog-post_24.html

データ分析が苦手過ぎる日経 芹川洋一論説フェロー
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/06/blog-post_77.html

「政権の求心力維持」が最重要? 日経 芹川洋一論説フェローに問う
https://kagehidehiko.blogspot.com/2018/10/blog-post_79.html

「野党侮れず」が強引な日経 芹川洋一 論説フェローの「核心」
https://kagehidehiko.blogspot.com/2019/06/blog-post_18.html

「スペイン風邪」の話が生きてない日経 芹川洋一論説フェロー「核心」https://kagehidehiko.blogspot.com/2020/04/blog-post_27.html

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