2020年8月17日月曜日

訂正は出したが回答なし 週刊エコノミストのミスを巡る対応

週刊エコノミスト8月25日号に3つの訂正が出た。内容は以下の通り。
コメリハード&グリーン北野店(福岡県久留米市)
            ※写真と本文は無関係です

【お詫びして訂正します】

本誌8月11・18日合併号38ページ「航空産業」の記事の表1で、「住友商事(32%)」とあるのは、「三井住友銀行(32%)」の誤りでした。

本誌8月4日号16ページの図2で、「CDSスワップ」とあるのは、「CDSスプレッド」の誤りでした。

本誌7月28日号64ページ「レジ袋有料化はプラ削減の第一歩」の記事で、「G7(先進7カ国)仏シャルルボア・サミット」とあるのは、「カナダで開かれたG7(先進7カ国)シャルルボア・サミット」の誤りでした。

◇   ◇   ◇

このうち「CDS」に関する誤りは以前に指摘している。その内容を改めて載せておきたい。

【エコノミストへの問い合わせ】

週刊エコノミスト編集部  岡田英様 浜田健太郎様 

8月4日号の特集「コロナ株高の終わり~中央銀行の罪」の最初に出てくる「危うい株価の『峠』は9月~中銀下支えの“手じまい”も」という記事についてお尋ねします。問題としたいのは「図2」の「債権のデフォルトリスクの目安となるCDSスワップは大きいほど危険。3月に急上昇した後、5月から低下した」という説明文です。「CDSスワップ」 とは聞き慣れない言葉ですし、「CDS」が「クレジット・デフォルト・スワップ」の略なので「CDSスワップ」とすると「スワップ」がダブってしまいます。「CDSスワップ」は「CDSスプレッド」の誤りではありませんか。このグラフはそもそも「日産社債(5年物)のCDSスプレッド(保証料率)の推移」を表したものです。「CDSスワップ」を「CDSスプレッド」 に置き換えると、しっかり整合します。

問題なしとの判断であれば、その根拠も併せて教えてください。御誌では読者からの間違い指摘を無視する対応が常態化しています。読者から購読料を得ているメディアとして責任ある行動を心掛けてください。

また、記事には「インフレに強い金の価格は価格が急騰している」との記述もありました。「価格」が無駄に重なっています。

問い合わせは以上です。回答をお願いします。


◎何かが変わり始めた?

今回の3つの訂正をどう見ればいいのだろう。ミス放置を続けてきた藤枝克治編集長は健在のようなので、大きく方針が変わるとは考えにくい。

ただ「7月28日」の「サミット」に関する誤りは、最近になって気付いたとは考えにくい。ミスだという確認もすぐにできる。なのに1カ月近く放置していたことになる。

「明らかなミスを放置するのは、やっぱりマズい」という方向に編集部が動きつつあるのかもしれない。だとしたら歓迎できる。

さらに一歩進んで、間違い指摘にきちんと回答できるようになれば問題は解消する。

記事中のミス自体は基本的に仕方がない。一生懸命に確認しても間違える時は間違える。訂正すればいいだけだ。

今回の「CDS」の件では、週刊エコノミスト自体がミスを認めている。なのに定期購読者からの問い合わせに、なぜ回答できないのか。

「販売している製品に欠陥があり、ユーザーから指摘を受けた。このユーザーは欠陥かどうか回答を求めている。回答すべきか」と問われたら、藤枝編集長を含む編集部の全員が「回答すべき」と判断できるはずだ。

しかし、自分たちが当事者になると「間違ってました」と回答できなくなる。障害になっているのは無意味なプライドだろう。気持ちは分からなくもないが、そんなプライドは百害あって一利なしだ。

週刊エコノミストを優れたメディアにしたいと願うならば、すぐに無駄なプライドは捨て去ってほしい。


※「CDS」に関する誤りがある記事

危うい株価の『峠』は9月~中銀下支えの“手じまい”も
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200804/se1/00m/020/062000c

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